水星が西方最大離角 2006年8月7日

ちょっと見づらいかもしれないけど..

 水星は太陽の最も近くを公転する惑星ですが、それゆえに太陽のまわりを速い速度でグルグルと公転しています。ですから、水星は太陽に近づいたり離れたりを繰り返し、毎年6回の最大離角(太陽から最も離れる)があります。前回は6月21日に太陽の東側へ最も離れる東方最大離角となりましたが、今回は太陽の西側へ最も離れる西方最大離角です。

 しかし残念ながら、今回の場合は水星が最も離れた8月7日でも、水星の高度はそれほど高くはならず、日の出の時刻でも16度あまりしかありません。日の出時刻になると空はすっかりと明るくなっていますから、水星を見るためにはそれよりも前の時刻でなければなりません。しかしあまり前過ぎると、水星は地平線から顔を見せておらず、ころあい加減が難しいところです。

 今回は高度の面ではあまり条件は良くありませんが、近くに金星が見えるのがメリットです。明るい金星を目印にすれば、水星のおおよその位置の検討をつけることができるからです。肉眼ではちょっと難しいかもしれませんが、そんなときは双眼鏡の助けをかりましょう。金星から少し下方向へ視野をずらせば、薄明の中でプチッと光る水星を簡単に見つけ出すことができるでしょう。

 今回の水星はちょっと見つけにくいかもしれませんが、空の透明度の良さそうな日を狙って、ぜひ水星探しに挑戦してみてください。

8月7日 日の出40分前の東天のようす(東京)
日の出40分前の東天の様子

日の出時刻における水星の位置変化(東京)
日の出時刻における水星の位置変化