水星を見つけよう 2007年5月下旬〜6月上旬

今年一番の水星観望好機

 水星は太陽系で最も内側を回る惑星として知られていますが、それだけに、地球から見た水星は太陽にへばりつくように移動していきます。このため太陽の光が邪魔をして、水星の姿はなかなかお目にかかることができません。そんな水星ですが、5月下旬から6月上旬にかけて水星を見る絶好の機会がやってきます。水星が太陽から離れて見え、日の入り時刻における水星の高度が年間を通して最も高くなるのです。今年一番の水星観望好機!

日の入り後の西空に注目

 下の絵は東京で日の入り時刻における水星の位置変化を表したものです。6月上旬をはさんだ前後1週間くらいが水星の高度が高く、観測に最も適していることがわかります。概ね真西よりもやや北寄りで、高度は20度くらいといったところでしょうか。日の入り時刻での高度が15度を超えると、水星の観測条件としては上々であることを考えると、今回の20度という高度は破格の好条件といえるでしょう。

日の入り時刻における水星の位置(東京)
日の入り時刻における水星の位置(東京の例)

見え方の例

 水星の高度が20度あるといっても、これは日の入り時刻での水星の高度ですから、実際にはまわりは明るくて、水星を見ることなどとてもできません。下の絵は5月25日東京の場合の例で、日の入りから約1時間後の西空の様子です。水星の高度はすでに10度を切っている上に、空もまだ薄明状態が継続しています。

2007年5月25日 日の入り後、水星の位置(東京)
2007年5月25日 水星の位置(東京の例)

水星を見つけるポイント

 水星を見つける場合、空がまだ完全に暗くなりきっていない時間帯に探すことになりますから、思ったよりも見つけにくいものです。幸い水星の左上方向には非常に明るい金星が光っていますから、これを目じるしにしましょう。金星から右下方向へ地平線へ向けて視線をずらしていくと、ポチッと光る星がみつかると思います。これが水星です。大人が腕を伸ばした状態で縦方向に「げんこつ」を作ると、これがだいたい10度くらいになりますから、ひとつの目安にするとよいでしよう。

 水星の高度は時間の経過とともにドンドンと高度が低くなっていきますので、空がまだ少し明るいうちから探し始めた方がよいと思います。視力に自身がない方は、双眼鏡を用意されるのも手ではないかと思います。

 それから、水星は −0.2等(5月25日) → 0.3等(5月30日) → 0.7等(6月4日) → 1.3等(6月9日) という具合に、次第に暗くなっていきます。ですから、同じ条件であれば早いうちに見ておいた方が多少は有利です。

 その他、水星を見つけるためのポイントは下のリンクを合わせてご覧ください。

    水星の見つけ方


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