土星の話題 2008年11月下旬以降

だいぶ観測条件が良くなった土星

 このところ、土星にはしばらくお目にかかっていないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。それというのも9月5日に合となって以降、土星は夜明け前の東天へまわった上に、日の出前における土星の高度が低かったためで、しかたがありません。しかし、そんな土星も夜明け前の東天で、少しずつ高度を上げてきています。下の絵は11月25日4時頃、東京の場合ですが、土星の高度は40度を超えてきています。空が明るくなり始めるのは5時15分ですから、1時間以上にわたって土星の天体観測を行うことができます。

 土星は地球との距離が少し遠いところにあるので、年間を通して地球との距離は大きく変化しません。したがって、太陽から離れて高度が上がってくれば、即、観測好機になります。そろそろ土星観測始動といったところでしょうか。


来年は環が消失する土星

 しばらく観測できなかった土星ですが、久しぶりに天体望遠鏡を使って観測してみましょう。土星の環がずいぶんと細くて見えにくくなったことにお気づきでしょうか? 実をいうと来年は、土星の環が消失する年なのです。環の見えない土星なんて面白みに欠けると言われるかもしれませんが、こればっかりはしかたがありません。それよりもむしろ、珍しい土星の姿を眺めるチャンスです。今年の12月末頃にはいったん環が直線状にまで細くなり、土星に串刺しにしたような格好で見えることでしょう。ぜひとも天体望遠鏡を使って土星の天体観測を行ってみてください。

未明に東天で見える土星
土星は夜明け前に東天で観測することができるようになる

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