ゴールデンウィークに水星を見つけよう 2009年4月末から5月上旬

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日の入り後の西空で水星を探す

 水星は毎年この時期になると、日没後の高度が高くなって見つけやすくなります。日の入り時点の高度は最大で20度近くに達し、水星としては最高の条件です。下の絵は日没時刻における水星の位置変化をしめしたものです。4月26日が東方最大離角で太陽から最も離れますから、この前後10日間ぐらいが水星を見つけるのに適しています。ちょうどこの頃はゴールデンウィークということもあって会社や学校が休みという方も多いでしょうし、寒くも暑くもなくて気候の面からも好条件です。まだ水星を見たことがないという方は、ぜひこの機会に水星を探してみましょう。

日の入り時刻における水星の位置
高度は最大で20度近くに達する


日の入り30分後における水星の位置
日の入りから30分が経過していることもあって、水星の高度は低くなっている

 水星を見つけるコツは、西の方角が地平線近くまで見渡せる場所を探しておき、太陽の日没位置を確認することです。日の入りから30分後の水星の位置は、だいたい太陽が沈んだ位置のほぼ真上方向に見えるからです。上の絵のように日の入りから30分が経過した水星の高度は10数度ですから、だいたいの位置の見当がつきます。そこでよく目を凝らしてみると、薄明が残る夕空で水星がポツンと光っているのを確認することができます。視力に自身がない人や、ちょっと薄モヤが出ている場合などは、双眼鏡を用意しておかれることをおすすめします。

 下の絵は水星の明るさの変化を表したものです。東方最大離角となる4月26日には0.3等の明るさがありますが、その後は5月1日に1.1等、5月6日は2.1等とドンドンと暗くなっていきます。そういう点ではゴールデンウィークの前半に見ておかれる方が水星を探しやすいといえます。

水星の光度曲線
今後水星の明るさはどんどんと暗くなる

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