エウロパとガニメデが重なる 2009年5月9日

エウロパとガニメデが重なる

 ガリレオ衛星といえば、1610年にガリレオ・ガリレイが手製の天体望遠鏡を使って発見した、木星のまわりを回る4つの大きな月のことですね。ガリレオ衛星は木星のほぼ赤道面上空を回っていますから、これを真横から見る位置へ地球がやってくると、衛星同士が隠しあったり、衛星の影の中に別の衛星が入ったりする現象が頻繁に起こります。これをガリレオ衛星の相互食と呼んでおり、今年はその年にあたります。

 下の絵は5月9日3時7分に見たガリレオ衛星の様子を、「天文ソフトつるちゃんのプラネタリウム」のシェア版を使って描いたものです。第2衛星のエウロパが第3衛星ガニメデの前面へやってきて金環食のような状態になり、両者は重なって見えます。最も接近するのは5月9日3時6.9分で、金環食の状態は1.1分間続き、一部が重なった状態は6.4分間継続します。

 天体望遠鏡を使うとエウロパとガニメデが次第に接近していき、望遠鏡の分解能を超えるところまで接近すると、二つの衛星が一つに合体したように見えます。この様子を見ていると、ガリレオ衛星も動いているんだなあと実感させられて天体観測の醍醐味を味わうことができます。天体望遠鏡をお持ちの方は、この機会にぜひ木星の衛星の方へ向けていただきたいと思います。

 なお、この後もガリレオ衛星の相互食は何度も起こります。このうち観測しやすいものを今後も取り上げていく予定ですのでお楽しみに!

ガリレオ衛星の見え方
エウロパとガニメデが同じ方向に見える

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