おとめ座で土星が見やすい 2010年2月後半から

来月におとめ座で衝となる土星

 土星は昨年12月26日に西矩となり、観測好機へ入ってきました。その後は3月23日の衝を目指して、地球との距離を縮めています。といっても土星はもともと太陽からの距離が9.55天文単位と遠く離れていることもあって、それほど劇的に地球との距離が縮まるわけではありません。しかし、観測が可能な時間帯が次第に長くなってくるので、この点では観測条件が良くなります。

 そんな土星は今、どの位置に見えるのでしょうか。土星は今、おとめ座の方向に見えます。下の絵は東京で2月20日、0時頃のようすです。南東の方角を向くと空の中ほどに0等級の星が見つかります。これが土星です。おとめ座の1等星スピカと、しし座のしっぽに位置する星デネボラの中間付近と言えばよいでしょうか。おとめ座は全天で2番名に大きな星座ですが、そのおとめ座の中で西側の部分、つまり、右上方向に見えるしし座寄りに土星は位置しています。鈍い黄色をして結構目立っていますから、見間違えることはないでしょう。

 これからの天体観測は土星ですね。土星を小型の天体望遠鏡でのぞくと、本体とそのまわりに立派な環が見えます。と言いたいところなのですが、残念ながら現在は、環が開いたカッコイイ姿を見ることはできません。それというのも、昨年は土星の環が消失した年にあたり、2010年もまだ環を横から眺める格好になっているのです。したがって環は細く、土星本体に少し太い目の棒が突き刺さったような形に見えます。カッコイイ土星の姿が見られるのは、もう2、3年先のことになってしまいます。

2月後半の真夜中 南東の空に見える土星

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  2009年12月26日 土星がおとめ座で西矩



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