月と金星の大接近を見逃すな 2010年5月16日

0.6度まで接近する月と金星

 月と惑星が近づく天文現象は毎月のように起こっていますが、間隔が1度を切るような大接近となると、年間を通してそう何度も起こるものではありません。幸い5月16日には、東京の場合で月と金星が0.6度を切るまで近づくという大接近が起こります。東南アジア方面では金星が月に隠される金星食になりますが、残念ながら日本では食になりません。

 今年2010年は月と惑星の間隔が1度を切るような大接近が5回起こります(東京の場合)。実際に観測しやすいものとしては、今回の現象が今年一番の接近となります。しかも金星は惑星の中で最も明るくて、その明るさは−4等に達するだけに見ごたえがあります。

 下の星図は5月16日20時頃、東京での西空の様子です。空が完全に暗くなる20分前ですから、空はまだほんのりと明るい状態です。星図で見た月と金星は重なっていますので、もう少し位置関係がハッキリとわかるように、拡大図も用意しました。ご覧のように高度は少し低い目です。東京20時の時点では月の高度が11度しかありません。

 月齢2.4という細い月は、右下側が光っています。月の左上側は地球照によってほんのりと月面が映し出され、ピカピカ光る金星との対比はさぞかし美しいことでしょう。薄明が残る夕空で、月と金星の大接近という美しい天文現象を、ぜひお楽しみください!
 

夕方の西空で月と金星が近づく



月と金星の位置関係 拡大図



月の形

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