水星が西方最大離角 2010年9月20日

今年2番目の好条件

 水星はいつも太陽の近くに見えて、観測しづらい惑星として知られています。しかし、9月20日には太陽から西方向へ最も離れる西方最大離角となって、観測しやすくなります。太陽からの離角は17度52分ですが、これは、今年6回起こる水星の最大離角の中では最も小さな数値です。しかし、夜明け前に見える水星としては今年一番の好条件で、年間を通しても2番目の好条件となります。

 どうして離角が小さいのに好条件なのか、不思議に思われるかもしれませんね。そんな方は下の絵をご覧ください。これは、日の出時刻における水星の位置変化を表したものです。最大離角の頃、水星は地平線に対して垂直方向へ離れています。ですから、太陽からの離角は小さくても、日の出時刻における水星の高度は高くなって、観測条件は良くなるのです。

 水星の明るさは0.7等(15日)、−0.4等(20日)、−0.9等(25日)と次第に明るくなりますから、西方最大離角をはさんだ前半よりも後半の方が見つけやすいでしょう。9月20日をはさんで前後1週間くらいは観測しやすい状態が続きますから、地平線付近までよく晴れた日をねらって、水星探しに挑戦してみてください。

日の出時刻における水星の位置


東の空で低い位置を探そう

関連記事
  2010年1月27日 水星が西方最大離角



つるちゃんのプラネタリウム トップへ戻る 天体観測ガイド 2010年へ戻る