変光星ミラが極大の頃 2010年10月12日
秋に極大で観測しやすい
くじら座といえば秋の星座ですね。ギリシャ神話ではいけにえにされたアンドロメダ姫を襲う、お化け鯨として登場します。いってみれば秋の星座の悪役スターともいえる星座です。そしてお化け鯨といっても、鯨とは名ばかり。巨大なアザラシやセイウチのような形をしており、両手が生えていて大きなカギ爪を持った恐ろしい怪物でした。
お化け鯨の心臓部に位置する星がミラですが、この星は有名な変光星で、331.6日の周期で2等から10等まで明るさが変わります。ミラは赤色巨星で星の一生の末期を迎えており、星自体が不安定になって伸縮を繰り返すことで変光しているのです。
ミラの変光周期は1年よりも33日ほど短いため、極大となる時期が毎年1ヶ月ずつ早まります。くじら座は秋の星座であるだけに、秋に極大になってくれると観測しやすいので、今回はドンピシャリなタイミングといえます。
ミラの極大等級は2等とされていますが、毎回極大時の明るさが変わります。また、極大時期も予報から1ヶ月くらいずれることもあります。こんな気まぐれな変光星ミラですが、2010年は果たしていつ頃何等まで明るくなるのでしょうか。
22時頃 南東の空にミラが見える