月と火星とアンタレスが横に並ぶ 2012年10月18日

 火星は今年の3月上旬に衝を迎えました。その後4月15日に留を迎えてから以降は、西から迫ってくる太陽から逃げるように、東へ東へと移動しています。その間に様々な天体と出会いますが、10月中旬から下旬にかけて、さそり座の1等星アンタレスの近くを通り過ぎます。

 アンタレスの意味は火星に対抗するもの。その名のとおり赤い色をしています。両者は21日に3.6度まで近づいて最接近となりますが、その前の10月18日には火星とアンタレスが接近状態にあるところへ、三日月が近づいて花を添えます。


 下の星図は10月18日の18時頃、南西の空のようすです。空の低い位置で右から三日月、火星、アンタレスの順に横方向へ並んでいます。月は右下側が光る三日月形です。月齢は2.9ということで、まさに三日月です。その左側には1.2等星で赤く光る火星があります。さらに左側にはさそり座が作るさそりの心臓部に位置する1等星アンタレスがあります。三天体の間隔はそれほど狭いものではありませんが、明るい天体が狭い領域に集まりますから、いやでも目に付くことでしょう。

 少し残念なのは、日の入りから1時間ほどしか経っておらず、薄明状態です。おまけに高度も10度そこそこしかありませんから、少しモヤでもあったりすると、見つけにくいかもしれません。そんなときは双眼鏡の助けを借りてご覧になってみてください。

夕方に南西の空で三天体が横に並ぶ
月と火星とアンタレスが集まる


月の形
右下側が光る三日月

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