土星がてんびん座で衝 2013年4月29日

 2月19日に土星は留となり逆行に移りました。土星は観望期へ突入していますが、4月29日にいよいよ衝を迎えます。衝とは惑星が太陽から180度離れることで、太陽と反対側に見えます。下に掲げた太陽系の図を見ると、太陽、地球、土星の順に一直線に並んでおり、衝であることがわかります。衝の頃の土星は真夜中に南中しますから、一晩中観測することができます。地球との距離は最も近づいた状態で、観測条件は最高といえます。

北側から太陽系を見下ろした図

 土星は今、てんびん座にいますが、2012年12月上旬まではお隣のおとめ座にいました。土星がおとめ座に入ったのは2009年9月ですから、てんびん座に移るまで3年以上かかったことになります。しかも2013年5月中旬には再びおとめ座に逆戻りし、再度てんびん座へ戻ってくるのは2013年9月になります(2013年土星の経路も参照)。以降しばらくは、てんびん座に安住しますが、2015年1月になると、いったん隣のさそり座へ移ります。

 下の星図をご覧ください。土星はてんびん座とおとめ座の境界付近、てんびん座側にあります。衝となる4月29日だと21時頃にはちょうど南東の方角に見えます。明るさは0.5等ですから、お隣の1等星スピカよりも少し明るく見えます。独特の鈍い黄色をしていますから、初めて見る方でも土星に気づくのはたやすいことです。

てんぴん座で衝を迎える土星

 土星は環がある惑星として憧れの天体ですが、小型の天体望遠鏡でも環を確認することができます。特に2013年は環の傾きが20度を超えてきて、環が土星本体の8割ほどを包み込むような格好をしています。非常に見栄えがする年ですから、天体望遠鏡をお持ちの方は衝となったこの時期に、ぜひカッコイイ土星をご覧になってください。

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