始まるアルデバラン食 2015年7月13日
アルデバランといえば、おうし座の顔の部分に位置するオレンジ色をした1等星ですね。そのアルデバランが、7月13日に月に隠されて、アルデバラン食となります。これからしばらくは、アルデバラン食が起こりやすい状態が続きますから、「アルデバラン食、到来!」といったところでしょうか。
ところでアルデバランは天の黄道の近くに位置していますので、アルデバラン食はそれほど珍しい現象ではないと思われるかもしれません。しかし実際は、太陽が通る黄道と月が通る白道は、5度ほど傾いています。しかも黄道と白道が交差する交点は、19年の周期で西の方へずれていきます。ですから、普通なら食がよく起こるタイミングは19年に2度あるはずなのですが、アルデバランは白道の北端に位置しています。このため、アルデバラン食が起こるタイミングは19年に一度しかやってきません。しかし、一度アルデバラン食が起こりだすと、しばらくの間継続するという特徴があります。
だいぶ前置きが長くて難しくなりました。今回7月13日のアルデバラン食は、潜入と出現の両方を観測できるのは、北海道の北東側半分だけです。また、出現のみを観測できるのも、東日本と北日本だけに限られます。東京の場合ですと、出現は2時10分ですが、月の出は2時4分。月の出直後にアルデバランが月の縁から現れますから、条件的には最悪です。比較的条件が良い札幌でも、出現は2時24分であるのに対して、月の出は1時41分。出現時の高度は7度を切ってしますから、あまり条件の良いものではありません。
観測地 | 潜入 | 出現 | ||
時刻 | 高度 | 時刻 | 高度 | |
札幌 | 1:39 | − | 2:24 | 7度 |
東京 | 1:36 | − | 2:10 | 1度 |
この後、2015年のアルデバラン食は、10月2日 と 11月26日に見られます。回を追うごとに少しずつですが条件が良くなっていきますから、楽しみにしていてください。
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2015年11月26日 アルデバラン食