金星が内合 2015年8月14日

 今年前半は夕方の西空で、異様なくらいに明るく輝いて活躍してくれた金星ですが、8月14日に内合を迎えます。内合とは、内惑星が地球に近い側の位置で、太陽と同じ方向にやってくることです。

 下の星図では、縦の補助線(赤経線)に平行する形で太陽と金星が縦方向に並んでおり、内合であることがわかります。しかし、太陽と金星が重なるわけではなく、むしろ離れているといった方がよいかもしれません。実際、8度も間隔が開いていますから、金星が太陽に大接近しているわけではありません。

 金星が太陽から離れていることもあり、表面が光る割合(輝面比という)は0.01です。ゼロではありませんから、糸のように細くわずかに光っています。マニアの方は天体望遠鏡を使ってこれを捉えようとチャレンジする方もおられますが、太陽に近いため非常に危険な行為です。操作を誤ると失明したり、機器が破損する恐れもあります。豊富な知識と経験をお持ちでない方は、無謀なことはなさらないようにお願いします。

 この後、金星は夜明け前の東天に移ります。9月にもなると夜明け前に、再びピカピカ光る姿が見られるようになるでしょう。




日の出時刻における金星の位置変化

関連記事
  2014年1月11日 金星が内合

  天体観測ガイド 2015年