土星が衝 2016年6月3日

 6月3日は土星が衝になります。衝とは惑星が太陽から180度離れることです。太陽系の図を見ると、太陽と地球と土星がこの順に一直線に並んでおり、地球から見た土星は太陽から180度離れています。つまり、土星は太陽の反対側にあることがわかります。

 土星は太陽と反対側に見えるため、一晩中観測することができます。また、地球との距離も近づいた位置にあり、観測に適しています。といっても、もともと土星の平均距離は 9.55AUと遠いところにありますので、衝になったからといって地球に大きく近づくといった話ではありません。

太陽系の図 地球と土星の位置関係

 今年の土星はへびつかい座に見えます。昨年衝となった頃はてんびん座にありましたので、今年は順番からいうと、さそり座にあってもよさそうなものです。しかし実際は、へびつかい座にあります。へびつかい座は黄道12星座に加えて、天の黄道が通る 13番目の星座です。また、さそり座よりも天の黄道が横切る距離がだいぶ長いですから、今年はへびつかい座に土星があっても不思議ではありません。

 21時ごろ、南東の空をご覧になってください。比較的低い位置に黄土色をした 0.0等星で光る星が見つかります。これが土星です。土星の色は地味ですが独特なものがあり、一度見ると忘れることはありません。

 土星の右からやや下方向へ 7.1度離れたところには、さそり座の 1等星アンタレスがあります。アンタレスの赤色と色の対比が楽しめそうです。赤い星といえば、5月31日に地球へ最接近したばかりの火星もあります。 -1.9等で赤く輝く火星も忘れずに見ておいてください。

 ところで、天体望遠鏡で見た土星は環が見えますが、今年は環の開き方が非常に大きくなっています。環の詳細を観測するには最適ですから、今年は環をじっくり観測してみられていはいかがでしょうか。

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