水星が好条件の東方最大離角 2020年6月4日

 6月4日は水星が東方最大離角となり、今年最も観測条件が良くなります。
 
 下の星図は、東京で日の入りから50分が経過した西北西のようすです。低空に水星があり、明るさは0.5等です。0.5等といえば1等星と同じくらいで明るいように思いますが、日の入りから50分しかたっていません。まだ薄明中である上に低空で、悪条件が重なっています。実際に肉眼で水星を見つけられるのは、もう少し後の時間帯になるかもしれません。

日の入り時刻における水星の位置変化(5日間隔)

 
 ところで今回の東方最大離角は、日の入り時刻における水星の高度が、東京の場合で20度に迫ります。今年一番の好条件ですから、これを見逃す手はありません。日の入り時刻における水星の高度が15度を超えるのは、5月20日から6月14日までの26日間におよび、破格の長期間です。

 それから、最大離角になるよりも前の日付の方が水星が明るくて、見つけやすくなります。例えば5月28日なら-0.1等ですが、6月4日は0.5等、6月11日は1.3等といった具合に、次第に光度が落ちていきます。
 
 低空に薄い雲があったりすると意外に見づらいことがあります。視力に自身のない方は、双眼鏡の助けを借りるのも一考です。

関連記事
  2020年2月10日 水星が東方最大離角