5月17日は水星が東方最大離角となり、今年一番の観望期を迎えます。
東方最大離角とは、内惑星が太陽の東側へ最も離れることです。内惑星は水星と金星の二つですが、このうち水星は、太陽系で最も内側を回る惑星です。それだけに太陽からあまり離れず、観測しにくい惑星です。最大離角の頃は太陽から離れてチャンスですから、このタイミングを逃す手はありません。しかも今回は、東京で日の入り時刻における水星の高度が20度に達し、またとない機会です。
下の星図は東京で日の入りから40分ほどが経過した、19時20分のようすです。空が完全に暗くなるのは、およそ1時間後です。西北西の方角の比較的低い位置に水星があります。地平線付近に金星が見えますので、良い目印になってくれるでしょう。もう少し時間がたって空が暗くなれば、肉眼でも0.5等でポツン光る水星をハッキリ見ることができます。
日の入り時刻における水星の位置 |
今回の離角は22度と小さめです。水星の位置変化の図を見ると、地平線に対して垂直方向に水星が離れています。このため小さな離角にも関わらず高度が高くなり、年間を通して最も観測条件が良くなるのです。