土星といえば環のある天体として有名ですね。土星の環は直径が27万Km(A環)もあるのに対して厚さはわずか数十mしかありません。このため、環を真横から見る位置にくると環が消えたように見え、環の消失と呼ばれています。環の消失はおよそ15年ごとに起こりますが、これは土星の公転周期30年の半分にあたります。
土星と地球と太陽の位置関係から、環の消失は3回起こる時と1回だけの時があります。今回は3月24日2時頃に、1回だけ起こります。しかし、3月13日18時が合ということで太陽に近い位置に見えますので、残念ながら観測するのは困難です。
環の消失後、3月24日2時から5月7日1時まで、太陽光が当たらない側の環を見ることになります。この間は環が光りませんので、ほとんど環が観測できなくなります。環がある部分に小さな光る点が見えたり、ビーズ状に淡く光ることがありますので、挑戦してください。
5月7日の1時、太陽光が環の真横から当たりますので、地球から環が見られなくなります。
さらにその後11月24日20時に、環の傾きが0.37度と非常に小さくなります。このため環が非常に細くなり、ほとんど環がない土星を観測することができます。以降は環の傾きが次第に大きくなり、それとともに環が観測できるようになっていきます。