金星の高度が最大の頃 2025年7月25日

 7月25日前後は、東京で夜明け前に見られる金星の高度が最も高くなる頃です。
 
 星図は7月25日の3時頃のようすです。この時間帯は空が明るくなり始める直前で、日の出から1時間43分前です。金星の高度は12.6度しかなく、金星としてはあまり目立たない状態です。
 
 金星は6月1日に西方最大離角となり、太陽の西側へ最も離れました。しかし、日の出時刻に見られる金星の高度という意味では最大ではなく、2か月近くたった今日の方が高度が高いのです。実際、6月1日の高度は26.4度でしたが、7月25日は33.6度です。西方最大離角の頃よりも7.2度も高い位置にあることがわかります。

 一方、太陽からの離角を比べると、6月1日は45.9度だったのが、今日は39.5度しかありません。このように、今日の方が太陽に近づいているのにもかかわらず、日の入り時刻の高度が高くなるという妙な事になっています。
 
 これは、最大離角の頃は、太陽から見た金星の位置が地平線に対して並行に近い方向へ離れたのに対し、今日は西方最大離角の頃よりも、地平線から上方向に離れるためです。このため、太陽からの離角は小さくても高度が稼げるのです。 

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