詳しい限界線
2012年金環日食では北側の限界線が日本列島を横切っています。北限界線の南側では金環日食が見られますが、北側では部分日食ということで大違い。それだけに、自分が観測する地点は限界線の内側なのか外側なのかが気になるところです。限界線がどの市町村の近くを通るかは、限界線に近い市町村の一覧で紹介していますが、もっと詳しい予報を知りたい方もおられるでしょう。
NASAが提供する限界線
金環日食の解説のページで示した金環帯図はNASAのサイトが提供するものです。NASAのサイトでは月の大きさを少し小さめに計算しているため、金環日食となる判定が緩い目に計算されています。つまり、実際の限界線はこの線よりも南側を通っているのです!
平均月縁による計算
国立天文台のサイトをはじめ、よく用いられるのが平均月縁による計算です。これは、月のデコボコを平均化した月の大きさ(平均月縁)で金環日食の限界線を計算するというものです。NASAよりも厳しい判定となって限界線の範囲が狭まります。しかしそれでも、月の高い山が太陽のリングからはみ出てしまうこともあり、完全な金環日食とならないケースも出てきます。つまり、厳密な限界線を得るためには、月の凹凸まで考慮して計算しなければなりません。
月縁補正による限界線
ここまでお読みになったあなたは、「月の凹凸まで考慮して計算した金環日食限界線を見てみたい。」と思われたかもしれません。そんなあなたに最適なサイトを紹介します。日本の月周回衛星「かぐや」の最新データを使って計算され、現在最も精密な限界線予報を掲出されているのが、せんだい宇宙館のページです。下のリンクからご覧ください。
赤い線: 月縁を考慮した限界線
青い線: 月縁を考慮しない限界線
せんだい宇宙館 金環日食の予報図 ※「日食帯地図を Google マップ で表示」のリンクを選択