日食撮影用フィルター

 金環日食や部分日食の撮影では、太陽のまぶしい光が一部届いていることから、太陽光を減光する必要があります。これを適切に行ってくれるのがNDフィルターです。

太陽は減光フィルターなしでは撮影できない

 太陽の光は強烈です。カメラの絞りを目いっぱい絞ってISO感度を最小にし、シャッタースピードを最速にして撮影しても、太陽は完全に露出オーバーになってしまいます。よって何らかの方法で、太陽光を減光する必要があります。写真撮影の場合、赤、黄、青など、全ての波長の光を均一に減光しなければなりません。さもないと太陽が赤みがかったり、青みがかったりして写ってしまいます。この悩みにこたえてくれるのがNDフィルター(Neutral Density Filter)です。

NDフィルターをカメラに取り付けた写真NDフィルターとは 

 NDフィルターとは、太陽の光を全ての波長にわたって、一定の割合で減らしてくれるフィルターのことです。これを使うことで、カメラによる日食撮影が可能になります。

 NDフィルターにはいくつかの種類があります。最も一般的なのはカメラのレンズ先端にねじ込むタイプです。円形の金属枠にガラス製のフィルターがおさめられていますから、ねじ込むだけで取り付けられます。ただ、ワンタッチで脱着というわけにはいきません。

 また、ガラスに薄膜を蒸着したタイプもあります。レンズの前面へ取り付けるための専用取り付けホルダーが必要になります。脱着が容易であるのが特徴ですが、金環日食の場合はずっとつけっ放しにしておきます。とはいえ、太陽が雲に覆われた時など、フィルターが必要なくなった場合にスグ取り外すことができて有効でしょう。

 他には薄いシート状のものもあります。これらはゼラチンやアセテートでできています。薄いので像の劣化が少ないのが特徴ですが、傷がつきやすいのがデメリットです。取り付けには専用のフィルターフォルダーが必要です。

フィルターに書かれた数字の意味

 NDフィルターには数字が書かれています。この数値は整数の場合と少数点がつく場合の2種類あります。このうち整数のものについては、光量が数字分の1になることを意味します。例えば ND400 と書かれていれば、光量が400分の1になります。

 また少数がつく場合は、10の累乗分の1を意味します。例えば ND2.0 は10の2.0乗分の1ですから、光量は100分の1になります。ND4.0はD4、ND5.0はD5と略されることもあります。

太陽観察用として使わないこと

 NDフィルターはもともと撮影用に設計されたものです。可視光線や紫外線は少なくなりますが、赤外線を通してしまいますから目に有害です。構図決めやピント合わせのために使用する程度なら問題ありませんが、日食の眼視観察用としては使用しないでください。

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