光軸のズレは素人でも修正できるのですか

 天体望遠鏡は衝撃などによってレンズや鏡の位置が移動してしまい、光軸のズレが発生します。これは星像が悪化する原因となりますから、もし発生した場合は修正を行う必要があります。しかし、なんだか難しそう。素人にも光軸を修正することはできるのでしょうか? 答えは、鏡筒の形式によって異なります。

 まず、屈折式の場合。屈折式の場合は対物レンズはかなりしっかりと固定されています。ですから、通常は軽い衝撃を加えたぐらいで、光軸がズレることはありません。万一ズレた場合は、鏡筒に修正ネジがついている場合は修正することができますが、個人が修正することはあまりおすすめできません。基本的にはメーカへ再調整をお願いするのが良いと思います。

 次に、反射式の場合。反射式の場合は衝撃に弱く、結構ズレが発生します。軽いズレなら修正は不要ですが、大きなズレが発生した場合は自分で修正します。たいていの場合、主鏡と副鏡(斜鏡)には光軸修正用のネジがついていますから、これを回して修正します。ネジは普通押しネジと引きネジがペアになっていて、これが3組ついていることが多いようです。修正には慣れが必要ですが、手順をおって行えばなんとか自分で修正できます。また、光軸修正用のアイピースやレーザー光なども販売されていますから、望遠鏡ショップ等へ確認してみましょう。

 最後にカタディオプトリック式の場合。カタディオプトリック式の場合は反射式同様に衝撃に弱いのが普通ですが、ズレが発生しにくいように工夫されているケースもあります。カタディオプトリック式の場合はズレが発生すると自分で修正するのは困難で、メーカへ修正依頼する必要があると思っておいた方が無難です。このあたりはカタディオプトリック式の弱点といえます。

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