カタディオプトリック式の良い点と悪い点を教えてください

 天体望遠鏡の鏡筒の種類のひとつにカタディオプトリック式があります。この形式は鏡筒の底面に凹面鏡を配置して光を集め、副鏡と呼ばれる2枚目の凸面鏡を鏡筒の前面へ配置することにより、屈折式のように鏡筒の底面側からのぞきます。鏡筒前面や接眼部に補正レンズを設置し、さまざまな収差を高次元で補正します。カタディオプトリック式は種類が豊富で、補正板の形状や配置箇所などによって種類がいくつもに分かれます。

 カタディオプトリック式の良い点は、鏡筒の長さが短いことです。他の形式に比べて鏡筒が非常に短いため持ち運びがしやすい上に、観測中の取り回しも楽です。また、補正レンズによってさまざまな収差を修正しているので、設計上は良好な星像を楽しむことができます。

 悪い点としては、補正版が鏡筒前面にない場合は反射式の場合と同様、筒内気流が発生します。また、急激な温度変化を与えるとレンズが収縮することにより、一時的に星像が乱れます。また、強い衝撃を加えるとレンズの位置にずれが生じ、光軸が狂うことがあります。こうなると光軸修正が必要になります。

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