鏡筒の種類と選び方を教えてください

 鏡筒は天体望遠鏡の対物レンズや主鏡を収納した筒のことです。鏡筒の種類は大きく分けると屈折式、反射式、カタディオプトリック式に分かれます。それぞれに一長一短があって、ベテランの人でも好みが分かれます。特徴をよく理解して、自分の用途に合ったものを選びましょう。それぞれの種類は他の質問の中で取り上げていますから、ここでは3つの種類があることを覚えておいてください。もっとも、天体望遠鏡は通常三脚や架台がセットになって販売されていますから、最終的にはこれらの組み合わせを総合的に判断して機種を選ぶことになります。

 鏡筒を選ぶ際の一般的な注意点ですが、まず筒の長さに注目してください。同じ種類の鏡筒の場合、短いものほど対物レンズや主鏡の焦点距離が短くなっているのが普通です。適度に短いものは取り回しが楽であったり、写真撮影の際に露出時間が少なくてすんだりして、良い面が多いのも事実です。しかし、極端に短い場合はいろいろな収差が生じ、像にひずみが出たり色がにじんだりして、弊害が目立ってきます。対物レンズや主鏡の焦点距離のミリ数を口径のミリ数で割ったものは口径比(F値)といいますが、この値に注目しましょう。屈折式ならF8、反射式ならF6からF5、カタディオプトリック式ならF8ぐらいを目安にしてください。これよりもF値が小さいものは、入門機としては避けておいた方が無難です。

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