近年のオリオン座流星群は過去と比べて活発に活動する年があり、話題になる年も多くなりました。例えば2006年には1時間あたりに最大で100個も出現しましたし、翌年にも同レベルの流れ星を数えることができました。その後も例年より多くの流れ星が見られる状態が続きましたが、2010年を最後にオリオン座流星群のダスト・トレイルは地球の軌道から外れたそうで、最近の出現数は落ち着いてきています。
2024年のオリオン座流星群は、極大が10月21日の15時頃です。この時間帯は太陽が昇っていますし、流星群が見やすい時間帯から半日ずれていますので、極大時刻は最悪です。
それに加えて悪いのは月明かりです。21日3時の月齢は18.0で、満月から4日が過ぎた太った月です。しかも輻射点に近い所にありますので、月明かりを避けようがありません。翌日は月齢が一つ上がって月が少しだけ細くなります。しかし、影響が大きいのは変わりませんし、月が輻射点へさらに近づきます。
総合的に考えて2024年のオリオン座流星群は最悪です。空が暗い山間部で観測した場合でも、1時間あたりに見られる流星数は、最大で10個程度にとどまるでしょう。
オリオン座流星群は極大から前後数日間は高原状にピークが続きます。10月21日・22日だけでなく、日をずらして観測するのもよいでしょう。といっても今年は月が大きいですから、効果は限定的かもしれません。
あなたも痕を伴った速い流星をご覧になってください。オリオン座流星群についてもう少し詳しく知りたい方は、以降の記事をお読みください。
オリオン座流星群の出現イメージ |
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オリオン座流星群は10月21日頃に極大となり、秋に活躍する流星群です。流星群といえば夏のペルセウス座流星群や冬のふたご座流星群としぶんぎ座流星群(りゅう座ι流星群)、ひと頃天文界をわかせたしし座流星群などが有名ですが、それに次ぐ流星群といえばきっとオリオン座流星群でしょう。オリオン座流星群は流星の出現数では先の流星群に比べて劣るものの、ピーク時には1時間あたりで15個前後、多いときでは30個くらいの出現数が期待できます。オリオン座の方向から流星が飛び出してくるように見えることから、このような名前で呼ばれています。オリオン座流星群は5月頃のみずがめ座η流星群とともに、あの有名なハレー彗星を母彗星としており、ある意味由緒正しい流星群といえるかもしれません。
オリオン座流星群の出現イメージ |
オリオン座流星群はどこに見えるんだ? という質問が飛んできそうですが、流星はほぼ全天で見ることができます。逆に言えばどこに見えるのかを予測することはできません。ただひとつ言えることは、オリオン座流星群の流星は、オリオン座の方向から飛んでくるように見えるということです。正確にいうとオリオン座というよりは、ふたご座の足元付近になります。いずれにしてもできるだけ視界が開けた場所で観測するようにして、どこに流星が流れても建物や高い山などに邪魔されず、確実に流星をとらえるようにしたいところです。
出現数
気になる出現数は先にも書きましたように、ピーク時には1時間あたりで15個くらいの出現があります。近年は以前と比べて増加しており、最大20個から、条件次第では30個の出現も期待できます。有名な3大流星群と比較すると見劣りするのは否めませんが、それでも、これらに次いで多く出現する流星群といえます。この時期は流星群に属さない散在流星も多い時期ですので、意外に多くの流星を楽しむことができます。
観測できる時間帯
この時期のオリオン座は、東京の場合で21時頃と意外に早い時間に東の空から昇ってきます。そしてオリオン座が西の空へ沈むのは夜明け後のことになります。そういう意味ではオリオン座流星群はほぼ一晩中観測できるのですが、輻射点の高度が30度を超えてくる0時頃からがオススメの時間帯となってきます。その後は夜明け前頃に輻射点は最も高くなりますから、夜半から夜明け前までが観測に最適な時間帯ということができます。
流星の性状
オリオン座流星群の流星は速いものが多いのが特徴です。また、痕を残す流星も出現します。中には火球クラスの流星が出現することもありますが、最近は母彗星のハレー彗星が地球から遠ざかっているせいか、比較的暗い流星が多いようです。
先にも書きましたように、例年のオリオン座流星群は1時間に最大で15個前後の出現となるのが普通なのですが、2006年には夏のペルセウス座流星群にも匹敵するほどの活発な活動をみせ、しかも、出現が多い日が4日間も継続して驚かされました。どうして急に活動が活発になったのか定かではありませんでしたが、その後の研究により、3000年も前に形成されたハレー彗星のの古いダスト・トレイルが地球へ近づいたためとわかりました。さらにその翌年の2007年にも、同レベルの出現が観測されています。
2008年は月明かりの条件が悪く、出現は少なくなりました。2009年も2006年などより出現数が減少しましたが、それでも理想的な条件下換算で1時間あたりに最大で30個から50個程度と、例年よりも多い目の出現がありました。
2010年も地球はダスト・トレイルに接近しました。しかし、古いダスト・トレイルであるため、流星の出現数を予測するのは難しいものでした。そんな中、2010年は最高条件換算で、1時間当たりに50個から70個程度という、高いレベルの流星出現が高原状にピークが続くのではないかと期待されました。しかし、全国的に天候に恵まれず、あまり観測されませんでした。
オリオン座流星群のダスト・トレイルは、2006年から2010年頃まで地球の軌道へ接近しましたが、それ以降は接近しなくなってしまいました。高速で火球クラスの明るい流星も出現しますが、近年は暗い流星が中心です。ピークは高原状になっており、極大日の前後数日間は流星観測を楽しむことができます。
過去に当サイトで紹介した記事をオリオン座流星群 過去の記事のページでまとめました。もしよろしければご覧ください。
その他、流星群を観測するためにも参照してください。10月ともなれば夜間は冷え込みますから、防寒対策をしっかりして、秋の夜長の流星群を観測してみられてはいかがでしょうか。