やぎ座

南の空に高度35度で南中する日時のめやす

8月1日0時、9月1日22時、10月1日20時

やぎ座の様子(9月・南の空)

やぎ座の見え方

やぎ座の見え方

やぎ座付近の星図

やぎ座

秋のトップバッター

 夏の星座が西に傾き始める頃、華やかな夏の星座に変わって秋の星座が空を占めてきます。そのトップバッターがやぎ座です。やぎ座のトレードマークは逆三角形に並んだ星の配列です。やぎ座は黄道12星座のひとつとして有名ですが、その割には最も明るい星でも3等星どまりです。しかも3等星は2つだけしかありません。他は全て4等星以下の暗い星ですから、都会の夜空でやぎ座の形を描き出すのは難しいでしょう。しかし、よく澄んだ田舎の夜空など空が暗い場所では、かなりハッキリと、その特徴ある逆三角形を確認することができます。

鯉とヤギ

 やぎ座は古代メソポタミアで誕生した星座です。シュメール語ではスクール・マシュとよばれ、スクール(大きな鯉)とマシュ(牡ヤギ)を合わせた言葉です。

山羊と魚の姿

 森と羊の神であるパーンという神様がニンフ達とナイル川のほとりで宴会をしていた時のことです。首が100もあり口から火を吐く巨大なトュホンという怪物が現れました。この時、パーンは慌てて魚の姿に変えてナイル川に逃げ込もうとしました。ところが慌てていたので、下半身だけが魚の姿に変わり、上半身はやぎの姿のままでした。このありさまを見ていた大神ゼウスは大笑いし、そのままの姿を天に上げて記念としたのだそうです。

やぎ座α星

 やぎ座のα星はギエディとよばれる4等星です。これはアラビア語で仔ヤギを意味するジャディーからきています。

冬至点があった星座

 太陽の南中高度が最も低くなるのは冬至の頃ですが、現在の冬至点はいて座にあります。しかし、歳差運動と呼ばれる地球自転軸の首振り運動によって、冬至点は移動しています。事実、古代バビロニア時代の頃には、冬至点がこの星座にありました。

 冬至点に差し掛かるまでの太陽は南中高度が次第に低くなっていきます。しかしその後の太陽は、逆に南中高度が高くなっていきます。この様子をヤギが岩山をよじ登る姿に重ね合わせて太陽の復活を願い、この位置にある星座をやぎ座としたのだという話もあります。

やぎ座α流星群

 7月10日から8月25日という比較的長い期間活動するのが、やぎ座α流星群です。例年だと7月30日頃に極大となりますが、なにしろ出現数が非常に少なく、1時間あたりに1、2個程度しか見られません。そんなこともあってマイナーな流星群ですが、ゆっくり飛びながら爆発する火球が出現することもあります。

海王星が発見された星座

 太陽系最果ての惑星である海王星は、ドイツの天文学者ガレによって1846年9月23日に発見されましたが、発見された位置はやぎ座δ星の近くでした。