からす座

南の空で高度が35度になる日時のめやす

4月1日0時、5月1日22時、6月1日20時

からす座の様子(4月・南の空)

からす座の見え方

からす座の見え方

からす座付近の星図

からす座

ゆがんだ四角形

 海へび=うみへび座の背中の上に乗って、海へびをくちばしでつついているカラスの姿は、いびつにゆがんだ四角形で形づくられています。この四角形からからすの姿を想像するのはちょっと難しいように思いますが、くちばしにあたるα星まで含めてよく見てみると、からすが海へびをつつく姿に見えなくもありません。

日本の呼び名

 空が暗い場所から見ると、からす座の四角形は意外とよく目立ちます。日本でも地方によって、四つ星、四すま星、つくえ星、はかま星、帆かけ星などとよばれてきました。

トレミーの星座

 からす座は小さな星座のくせに、この四角形が意外と目立って見える不思議な星座です。紀元前1900年頃には既にその存在が知られており、古い星座です。また、トレミーの48星座のひとつです。

うそつきのみせしめ

 太陽の神アポロンの使いをしていた真っ白いカラスは、ある日寄り道をして帰りが遅くなってしまいました。そのいいわけに、「アポロンの妻コロニスが浮気しているところを見た」とうそをつきました。驚いたアポロンは自分の家に戻ると人影を見つけました。これを浮気の相手の男と思い込み、矢を射て殺してしまいました。ところがその人影は、アポロンを出迎えにきていた妻のコロニスだったのです。

 アポロンはひどく嘆いて、うそをついたカラスから人間の言葉を奪い取り、カアカアと泣くだけの真っ黒な鳥にしてしまいました。それと同時に天へ上げて、うそつきのみせしめにしたのだそうです。

からす座α星アルキバ

 からす座のα星はアルキバとよばれる4等星です。これはアル・キバーからきており、テントを意味します。もともとは、からす座全体を指していましたが、間違ってα星がこうよばれるようになったのだそうです。

触角銀河

 からす座にはNGC4038とNGC4039という有名な二つの銀河があります。これらは隣接し、激しく衝突しているところです。写真に撮影すると二本の触角のようなフィラメント構造が写ることから、触角銀河とよばれています。小口径の天体望遠鏡では歯が立ちませんが、20cm以上の大きな望遠鏡をのぞく機会があれば、ぜひご覧になってみてください。