ボーデの法則(ぼーでのほうそく)
ボーデの法則を抜きにして小惑星の発見を語ることはできません。
まず、太陽から土星までの6つの惑星の距離を天文単位で表し、これを(1)とします。これとは別に2倍ずつ増えていく数列をつくり、(2)とします。これに4をそれぞれ加え、10で割ると、太陽から各惑星までの距離を表すというのがボーデの法則であり、これを(3)とします。
水星 | 金星 | 地球 | 火星 | ? | 木星 | 土星 | |
(1)惑星の距離(AU) | 0.4 | 0.7 | 1.0 | 1.5 | 5.2 | 9.5 | |
(2)数列 | 0 | 3 | 6 | 12 | 24 | 48 | 96 |
(3)ボーデの法則 | 0.4 | 0.7 | 1.0 | 1.6 | 2.8 | 5.2 | 10 |
ここで(1)と(3)を比べると、「?」の2.8以外はとてもよく合っています。ボーデの法則が成り立つならば、2.8のところに未知の惑星がいてもいいはずです。このようなわけで、天文学者たちは火星と木星の間の未知の惑星を求めて探し回りました。そしてついに7等級に光る新天体が発見されました。これが小惑星第1号のセレスです。しかも、太陽との距離は2.7天文単位であり、ボーデの法則にうまく合致していました。現在では海王星はこの法則に当てはまらず、何の因果関係もないことが明らかになっていますが、当時は小惑星の発見によりボーデの法則の名声はさらに高まりました。
その後、セレスとは別の小惑星が3つ発見され、西洋の神様や国王の名前、パラス、ジュノ、ベスタと名づけられましたが、いずれも暗くて小さなものでした。それでも小惑星の中では大型であり、後に4大小惑星と呼ばれることになります。その後続々と小惑星が発見され、神様や王様の名前だけでは間に合わなくなり、発見者が命名することになりました。そんなわけで、現在では「かぐや姫」や「千利休」といった名前の小惑星が太陽の周りを回っています。
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