土星の環(どせいのわ)

土星の環1610年ガリレオがはじめて観測しましたが、この時には環であることまではわかりませんでした。その後1655年にオランダのホイヘンスが環であることをはじめて確認しました(一般に発見はホイヘンスとされます)。
 1675年フランスのカッシーニが環の中にすき間(カッシーニの空隙)を発見し、以来その外側がA環、内側がB環と呼ばれるようになりました。1837年ドイツのエンケがA環中にエンケの空隙を発見し、1850年アメリカのボンドらがC環を発見しました。さらには、1859年にイギリスのマクスウェルは環が固体の円盤ではなく、粒子の集まりであることを提唱し、1895年アメリカのキーラーが観測でこの考えを実証しました。マクスウェルの空隙、キーラーの空隙の名はこの2人を記念して付けられています。
 きわめて希薄なD環は以前から予想されていましたが、ボイジャー1号、2号によって確認されました。そしてA環の外の細いF環は1979年パイオニア11号によって、G環は1980年ボイジャー1号によって発見されました。最外縁のE環は1966年地上からの観測で見つかったものです。なおボイジャーの画像から、カッシーニやエンケの空隙の中にも希薄な環が何本もあることがわかっています。F環のすぐ内側の衛星プロメテウスとすぐ外側の衛生パンドラはいわゆる羊飼い衛星です。

※天文年鑑(誠文堂新光社)による(一部修正)

関連用語:土星 環の諸元表

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