天文ソフトを使おう
アイソン彗星が見える位置を調べたい。どの方角に見えるの? 明るさは? そんなあなたの疑問に答えてくれるのが天文ソフトです。
当サイトと同タイトルの「つるちゃんのプラネタリウム」という天文ソフトがあります。このソフトはその名前からわかるように、当サイトの作者つるちゃんが作成したフリー(無料)の天文ソフトです。これを使うと様々な天文シミュレーションを行うことができます。当サイト内でアイソン彗星の記事の中に出てくるシミュレーション画像も、すべてこのソフトを使ったものです。ここでは天文ソフト「つるちゃんのプラネタリウム」を使って、操作の例を挙げながら、アイソン彗星の見え方を調べましょう。
天文ソフトをダウンロード
まず、天文ソフトのダウンロードとご購入のページから、「つるちゃんのプラネタリウム フリー版」をダウンロードし、インストールを行ってください。(フリー版は無料!)
最新バージョン(2013年2月リリース、Ver 3.6.0)では、古いバージョンの不具合が修正されており、新しい機能も追加されています。ですから、最新版をダウンロードして使用されることをおすすめします。なお、新しいバージョンのプログラムは、古いバージヨンのプログラムとは完全に別ソフトとして動作します。
アイソン彗星のデータ設定−−重要!
最新版のプログラムをインストールしても、アイソン彗星のデータは古いままです。そこで、アイソン彗星のデータ設定を読んで最新データに書き換えてください。以降では、アイソン彗星のデータが最新に設定されていることを前提に解説します。
プログラムを起動
天文ソフト「つるちゃんのプラネタリウム」を起動してください。最初に現れる表示設定画面では、次のように操作します。
ここまで入力したら、[OKボタン]を押してください。下のような星図が表示されることと思います。近日点を通過から1週間が過ぎたアイソン彗星が、東の空で地平線近くに見えています。1時間後に日の出がひかえていることもあり、空はすでに明るくなり始めています。この後アイソン彗星は次第に高度が上がってきますが、それとともに空がどんどん明るくなります。観測はまさに時間との戦いです。
2013年12月6日5時30分 地平線近くに見えるアイソン彗星
観測データ画面
ところで、上記のプラネタリウム画面と同時に、下のような観測データ画面が表示されたことと思います。これを見ると、東京の日の出は6時36分であることや、アイソン彗星が昇ってくる時間は5時7分であることがわかります。また、観測可能な時間帯は17時58分から5時5分とありますが、これは暗夜で観測できる時間帯を示しています。ですからアイソン彗星は、空が明るくなり始めると同時に昇ってくることがわかります。
下部には天文現象欄があります。ここには、その日に起こる天文現象が、ソフトによって計算された結果が表示されます。12月6日の場合、アイソン彗星がへびつかい座の2つの星に相次いで近づくことがわかります。
観測データ画面
アイソン彗星の情報
次に、アイソン彗星の情報を確認しましょう。
下のような小ウィンドウが表示されましたか。プラネタリウム表示時刻におけるアイソン彗星の情報が表示されました。彗星の位置と明るさ(光度)をはじめ、出没時刻や南中時刻、地球との距離(地心距離)や太陽との距離(日心距離)を確認することができます。また、12月6日5時30分の場合は高度が4.2度とあまり高くなく、明るさは4.2等ということで、だいぶ暗くなっていることもわかります。
アイソン彗星情報
日の入り30分後の位置を経路表示
今回のアイソン彗星は夜明け前に東天で見られます。それを確認してみましょう。
このように操作すると、下のような画面が表示されます。これは、日の出から30分前の時刻に、アイソン彗星がどの位置に見えるかを連続的に線で描いたものです。日の出から30分前ですから、当然空がだいぶ明るくなっています。11月末から12月初旬を除けばアイソン彗星の高度が高く、観測しやすいことがわかるでしょう。
次に経路のどこかをクリックしてみてください。クリックされた日付における彗星情報画面が表示されましたか。
日の入りから30分前、東の空で見える位置
星座間の経路を表示
天文ソフト「つるちゃんのプラネタリウム」では、星座間を動いていくアイソン彗星の経路も表示することができます。
このようにソフトを操作すると、プラネタリウムは下の星図のようになります。アイソン彗星が星座に対してどのように移動していくのか、7日間隔で経路表示されました。12月は東から北東の空へ移動しながら、少しずつ高度を上げてくることがわかります。
表示された経路をクリックすると、先に出てきたような彗星情報画面が表示されますのでお試しください。
アイソン彗星の移動経路
月の条件
彗星など淡い天体を観測するとき、月明かりは大敵です。そこで、日々の月の条件を示す月齢カレンダーを使ってみましょう。
下のような月齢カレンダーが表示されことと思います。12月6日の場合は、月齢が3.5と表示されています。この日は夕方に見える三日月ですから、夜明け前に天体観測する場合は影響を受けません。同様に12月15日頃までは夜明け前に月がありませんから、観測に適しています。
なお、この画面で月をクリックすると、月の情報が別ウィンドウで表示されますから、月の出や月の入りの時刻なども参考にしてください。
2013年12月の月齢カレンダー
アイソン彗星の軌道を3D表示
最後にアイソン彗星の軌道を眺めてみましょう。
このように操作すると、下のように太陽系のようすが表示されます。アイソン彗星は近日点通過からわずか1週間で、太陽から離れた位置に移動していることがわかります。太陽系を眺めながら、遠く離れたアイソン彗星に思いを馳せてみられてはいかがでしょうか。
太陽系のようすを3D表示
最後に
天文ソフト「つるちゃんのプラネタリウム」使ってアイソン彗星を調べましたが、いかがでしたか?
このソフトにはまだまだ魅力的な機能がたくさんあります。ぜひ使いこなして、あなたの彗星観測や天体観測にお役立てください!