アルフェラッツ

 秋本番の頃、東の空高くにはペガススの四辺形が斜めを向いた格好で見えています。ペガススの四辺形は2等星が3個と3等星が1個で構成されています。ペガススの四辺形を作る4星のうち、北東に位置する2等星がアルフェラッツです。
 
 南中したペガススの四辺形を見る場合、アルフェラッツは左上側に見えます。しかし、西空に傾いたペガススの四辺形を見る場合は、四辺形の右上側に見えます。位置関係に注意しましょう。

星名 学名 星座 バイヤー符号 フラムスティード番号 赤経 赤緯 実視等級 絶対等級 距離 スペクトル型
アルフェラッツ Alpheratz アンドロメダ座 α星 21番 00h08m23s +29゜05’26” 2.06等 −0.31等 97光年 B8

アルフェラッツの位置を示した星図

一人二役

 アルフェラッツはペガススの四辺形のひとつの頂点となる星なので、ペガスス座の一部かと思いきや、実はアンドロメダ座のα星です。星座絵ではアンドロメダ姫の額の部分にあたります。しかし、アルフェラッツの意味は「馬のへそ」。もともとアラビア語のアル・スラト・アル・フェラス(馬のへそ)からきています。アンドロメダ座の星なのに、名前の方はペガスス座の一部ということで、一人二役といったところでしょうか。

青白い色をした明るい星

 アルフェラッツの表面温度は1万3千度もある高温星です。太陽の200倍も明るい星ですから、97光年も離れたところにあるのに、2等星という明るさで見えています。

連星

 この星は連星であることがわかっています。伴星は主星の10分の1の明るさを持ち、96.7日の周期で主星の周りを回っています。

水銀・マンガン星

 アルフェラッツは水銀・マンガン星という特殊な星です。その名のとおり、水銀やマンガンをはじめ、ガリウム、ストロンチウムなどを大気に多く含んでいます。水銀・マンガン星としてはアルフェラッツが最も明るく、他にはからす座γ星、おうし座20番星などが見つかっています。

※当サイトでは以前、アルフェラツとしていました。しかしフルフェラッツが一般的になっていることから、2012年7月に変更しました。