水星が西方最大離角、月も近づく 2012年4月19日

 先月上旬に水星の東方最大離角があったと思ったら、もう西方最大離角か。そう思われる方がおられるかもしれません。水星は年に6回の最大離角がありますから、平均すると2ヶ月に一度の割合で最大離角が起こっています。そのうえ、東方最大離角から西方最大離角の間は期間が短く、逆に西方最大離角から東方最大離角の間は期間が長くなっています。ちなみに次回の東方最大離角は7月1日ですから、今回よりも間隔が長くなります。

 ところで4月15日は水星の遠日点通過の日です。この日、水星としては太陽からの距離が最も遠い位置にやってきます。西方最大離角となる4月19日は4日しかズレていませんから、年間で最も太陽から離れて条件の良い最大離角になると思われるかもしれません。しかし実際はその逆で、条件が悪い方から数えて二番目です。その原因は太陽からの離れ方にあります。2012年4月19日の場合、地平線に対して水平に近い方向へ離れるたるめ、離角が大きい割りに、日の出前における水星の高度がサッパリ高くならないのです。

 下の星図をご覧ください。日の出から23分前という日の出直前にもかかわらず、東京の場合で水星の高度は6.8度しかありません。空はすっかり明るくなっており、肉眼で見つけるのは難しいでしょう。幸いなことに、この日は近くに細い月があります。これを頼りに双眼鏡を使ってチャレンジしてみてください。

斜めに並んだ月と水星
2012年4月19日、日の出から23分前のようす。水星の高度が低くて厳しい条件


月の形
4月19日は偶然、水星の近くに月が見える

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