8月12日から13日は天体観測ざんまい!
2013年の8月12日から13日にかけて、スピカ食、ペルセウス座流星群、月と土星の接近、そして伝統的七夕という4つの天文現象が、立て続けに起こります。この2日間、あなたも天体観測に挑戦してみませんか?
スピカ食 −8月12日の夕方
まず最初に起こるのがスピカ食です。スピカは春を代表する星座、おとめ座の中にある1等星です。これが月齢5.5の月によって隠されます。スピカ食を簡単にいうと、スピカの上を月が通り過ぎていく際に、スピカがいったん消えて、そして再び現れる天文現象です。しかし残念ながら、秋田県と岩手県を結んだラインよりも南の地域でしか観測することができません。
スピカは1等星に分類される明るい恒星です。しかし、スピカ食は日の入り頃に起こるため周囲が明るく、肉眼で観測するのは無理でしょう。双眼鏡か、できれば天体望遠鏡がほしいところです。
当日はまず月を見つけましょう。月は南西の方角に見えます。周囲が明るい時間帯に起こりますから、開始の間際に観測を始めても、思ったように月が見つからないかもしれません。少し早い目に観測を始めて準備しておくようにしましょう。
月は三日月形をしていますが、実際に星が消える場所は月の暗い部分です。スピカは恒星で面積がありませんから、月の暗部の端にくると突然パッと消えてしまいます。逆に出現は月の明るい部分で起こり、月の端から突然パッとスピカが現れます。この瞬間を逃さないよう、それこそ目を皿のようにして観測してくださいね。
東京で潜入する18時48分頃 | 出現する19時25分頃 | |
観測地 | 潜入 | 出現 | 日の入り | ||
時刻 | 高度 | 時刻 | 高度 | ||
仙台 | 18:54 | 22度 | 19:14 | 19度 | 18:34 |
東京 | 18:48 | 26度 | 19:25 | 20度 | 18:34 |
大阪 | 18:40 | 30度 | 19:24 | 23度 | 18:50 |
福岡 | 18:28 | 36度 | 19:22 | 28度 | 19:08 |
那覇 | 18:22 | 44度 | 19:38 | 31度 | 19:08 |
ペルセウス座流星群 −8月12日遅くから8月13日明け方
スピカ食を観測したところで、そのまま夜を迎えましょう。今夜はペルセウス座流星群が極大となる日です。2013年のペルセウス座流星群は条件が良く、8月13日に日付が変わった頃から夜明け前にかけて、いくつもの流星を観測できそうです。しかも、ペルセウス座流星群は明るい流星が多く、煙をはきながら流れることもしばしばです。観測しがいのある屈指の流星群といえるでしょう。
ペルセウス座流星群に属する流星は、ペルセウス座の方向(輻射点、または放射点という)から飛び出すように見えます。全天に流星が流れますから、どちらの方角を向いて観測しても問題ありません。見る時間帯は、ペルセウス座が高い位置にやってくる8月13日の0時以降から夜明け前がオススメです。ペルセウス座の位置が高くなってくると、頭上から流星が四方八方へ飛び出して、観測できる流星数が多くなるからです。輻射点の高度が上がるとともに、夜明けにかけて流星の数がドンドン増えていくでしょう。空が十分暗い場所なら、1時間あたりに最大で100個出現するのも夢ではありません。しかし街明かりがあると、見られる流星の数は落ち込んでしまいます。少しでも空が暗い場所へ移動して観測するようにしましょう。
流星観測では双眼鏡や天体望遠鏡などの道具は必要ありません。地面に寝転がるなどして、肉眼で夜空を広く見渡すのが一番です。ボーッと夜空を眺めていると、空の一角に一瞬だけ一筋の光が走ります。これがペルセウス座流星群です! さて、あなたは流星に何を願いますか?
月と土星が並ぶ −8月13日の夕方
ペルセウス座流星群の極大を観測した8月13日の夕方に、月と土星が並びます。まだ土星を見たことがない方にとっては、簡単に見つけられるチャンスです。下の星図は20時頃に東京から見た南西の空のようすです。月と土星は4度弱の間隔を開けて並んでおり、土星は月の右上方向に見えます。土星は0.8等と明るいので肉眼でもよく見えます。両天体とも時間がたつとドンドン高度が下がって見づらくなります。ですから空が暗くなるのを見計らって、すぐに見られた方がよいでしょう。
伝統的七夕 −8月13日の夜
最後は8月13日の伝統的七夕です。現在用いられている太陽暦による七夕といえば、毎年7月7日で間違いありませんね。しかし、かつて日本で行われていた七夕は、月の動きに基づいた太陰暦(旧暦)による7月7日でした。この日に七夕の星たちを愛でようというのが伝統的七夕です。伝統的七夕の日は決まっておらず、年によって変わります。
わざわざ伝統的七夕の日に七夕の星たちを見るのには理由があります。通常の七夕の頃は初夏ということで、織姫星や彦星の高度がまだまだ低く、淡い天の川もハッキリ見えません。このため今ひとつ盛り上がりに欠けます。しかし旧暦は新暦よりも1ヶ月ほど遅れるため、旧暦による七夕の頃は、主役の星たちの高度が高くなって見やすくなります。しかも梅雨が終わって夏空が安定する時期ですから、曇り空でガッリカリさせられるケースが少なくなります。
前置きが長くなりましたが、2013年の伝統的七夕は8月13日です。織姫星(ベガ)、彦星(アルタイル)、天の川といった七夕の星たちなど、あらためて夜空を見上げてみましょう。そして、ペルセウス座流星群と伝統的七夕で二度星にお願いすれば、きっと願い事もかなうでしょう!?