火星が準大接近 2020年10月6日

 2020年10月6日に火星が地球へ準大接近します。

 2年前は大接近でしたが、今回は準大接近という言葉を使いました。下のグラフは20年間にわたる火星の視直径の変化を表したグラフです。地球との距離が近いほど火星は大きく見えますが、これを見ると2020年が準大接近だという意味が、おわかりいただけるのではないでしょうか。

20年間にわたる火星の視直径変化グラフ

 
 また、太陽系の軌道図を見てみましょう。火星の軌道はひしゃげた楕円ですから、地球と火星の接近距離は毎回異なります。今回は比較的近い位置で接近が起こっており、準大接近であることがわかります。

太陽系の様子(地球と火星の位置関係)

 
 次に、21時ごろに火星が見える位置を示した星図をご覧ください。火星はうお座の中にあり、東南東の空に見えます。異様に赤く明るく輝く星を見つけましょう。これが火星です。明るさは-2.6等と非常に明るくなっています。また、視直径は22.6秒と20秒を超えており、肉眼でも天体望遠鏡でも両方楽しむことができます。

10月6日21時 東南東で赤く明るく輝く

 
 星座に対する動きを見てみましょう。うお座にある火星は、準大接近の前後でいったん後戻りするような動きを見せています。これは、太陽系で太陽を回る速度が速い地球が、遅い火星を追い越す時に見られる一時的な現象です。

星座に対する火星の経路

 
 天体望遠鏡をお持ちの方は、ぜひ望遠鏡を向けてください。2日間隔で21時、0時、3時の模様の見え方を用意しました。
 小望遠鏡でも見やすい大シュルティスは、21時に見るなら9月10日と10月21日ごろ。0時なら9月16日と10月26日ごろ。3時なら9月21日と10月31日ごろに、それぞれ見やすくなります。それから今の時期は、南極方向が見やすくなっていますので、小さくなってきた白く輝く南極冠を観測できるでしょう。

模様の見え方(21時)

模様の見え方(0時)

模様の見え方(3時)

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