ニート彗星(C/2002 V1 NEAT)が近日点を通過 2003年

無事に近日点を追加

 年初から彗星三昧?でご案内したニート彗星(C/2002 V1 NEAT)が、2月18日に近日点(太陽に最も近づく地点)を通過しました。彗星自体の大きさがあまり大きくないので、当初は近日点通過までに彗星が崩壊するのではないかと見られていました。
 
 ところが大方の予想に反して、彗星は無事に近日点を通過しました。太陽との最接近時の距離は0.1天文単位弱。太陽系で最も太陽の近くを回る水星でも、太陽との距離は0.39天文単位ですから(「天文用語ミニ解説」の中にある惑星の諸元表を参照)、ニート彗星がいかに太陽に近づいたかがわかります。

SOHOの衝撃画像

 通常では太陽に近づいた彗星は、太陽の強烈な光のために見ることはではません。ところが、太陽に近づいた彗星などの天体を観測するための特別な装置(太陽観測衛星)があり、SOHO(The SOlar and Helopspheric Observatory:太陽及び太陽圏天文台)と呼ばれています。このSOHOが見事にニート彗星を捉えました。

2003年2月18日のニート彗星(右上)

 中心の丸印付近が太陽になります。ニート彗星は右上ですが、「えーっ」というぐらいに明るく大きく写っていて驚きです。肉眼で見えたとしたら、さぞかし素晴らしい眺めだったことでしょうね。残念!!