5月5日22時、翌3時

 地球との最接近を1週間後にひかえ、彗星はますます明るくなってきました。C核は4.3等で少し空が暗い場所からなら肉眼でも確認することのできる明るさです。双眼鏡を使えば完璧でしょう。B核の方も6.9等まで明るくなってきますので、双眼鏡ならなんとか確認できることでしょう。地球との距離は0.10天文単位ですから、百武彗星が地球へ最も近づいた距離よりも地球へ接近していることになります。見かけの動きも大きくなってきて、一日で4度くらいも移動します。

 C核はヘルクレス座からこと座にかけて、B核はヘルクレス座の足の付け根あたりに見えます。B核の方はヘルクレス座π星とη星の近くに見えるので探しやすいですが、C核の方は少し離れていて探しにくいかもしれません。彗星の経路 5月5日〜10日を参考にしながら、先のη星からπ星の方向へ直線を延長したあたりを探してみましょう。

 この日の月齢は7.7ですから夜半過ぎまで月は沈みません。半月の月ともなれば月明かりもかなり激しく、淡い彗星は見づらくなってしまいます。ですから、ねらい目は月が沈んでから夜明けまでの時間帯となります。夜半過ぎから明け方頃なら、彗星は天頂付近まで上りつめているので大気の影響を受けにくく、彗星が見やすくなるというメリットもあります。ゴールデンウィーク中ということもありますので、できれば夜更かしか早起きをして、シュワスマン・ワハマン第3彗星を狙って見たいものです。

シュワスマン・ワハマン第3彗星の位置(22時、東北東の空)
5月5日22時のシュワスマン・ワハマン第3彗星の位置


シュワスマン・ワハマン第3彗星の位置(3時、天頂付近)
5月5日22時のシュワスマン・ワハマン第3彗星の位置