ヘルクレス座

天頂付近にくる日時のめやす

6月1日0時、7月1日22時、8月1日20時

ヘルクレス座の様子(5月・東の空)

ヘルクレス座の見え方

ヘルクレス座

ヘルクレス座(北側)付近の星図

ヘルクレス座(北側)

ヘルクレス座(南側)付近の星図

ヘルクレス座(南側)

ギリシャ神話の英雄

 ヘルクレス座はギリシャ神話で一番の英雄ヘルクレスの姿を描いたもので。ヘルクレスは、大神ゼウスとアルクメーネ(ペルセウスアンドロメダの間にできた娘)の間に産まれた男の子です。しかしゼウスの妻ヘラは、夫の浮気で誕生したヘルクレスのことが憎くてたまりません。このためヘルクレスは呪いをかけられ、気が狂ってしまい、自分の妻子を殺してしまいました。

 罪を償うためにヘルクレスは、エウリステウス王に命じられた12の困難な仕事を成し遂げました。ヘルクレスの武勇はギリシャ中にとどろきましたが、特にネメアの森に住む化け獅子(しし座)退治や、ミモーネ沼のヒドラ(うみへび座)退治は有名です。

全天5番目に大きな星座

 ヘルクレス座は小さな星座かんむり座こと座の間にあり、全天で5番目の広さを持つ大きな星座です。大きさの点ではギリシャ神話で一番の英雄にふさわしいのですが、いかんせん、明るい星が少なくて少しさみしい感じがします。英字のHの型を少し開いたような形が目印になります。紀元前4000年頃からあるという歴史のある星座で、もちろんトレミーの48星座に含まれています。

二人の巨人

 星座絵でみたヘルクレス座は、上下が逆さまを向いています。頭部に輝く3等星はα星のラス・アルゲティですが、すぐ近くにはラス・アルハゲというへびつかい座の2等星があります。こちらはアスクレピオスという巨人の頭になり、二人の巨人が頭を突き合わせたような格好をしています。

太陽の向点

 太陽をはじめとし、銀河系に含まれる星たちは全て銀河系の中心の周りをまわっています。このため太陽は、ヘルクレス座のξ星の方向に秒速19kmで移動していると言われています。

M13球状星団M13

 ヘルクレス座には北半球最大の球状星団であるM13があります。目のいい人ならη星とζ星の中間付近に肉眼でもかすかに見ることができます。双眼鏡で見ると丸い姿を容易に確認することができます。小望遠鏡でも倍率を高くすると周辺部の星が分解し、球状星団らしさを味わえます。口径が20cmくらいの大き目の天体望遠鏡になると中心部まで星が分解し、それはもう「はっ」と息をのむほどの素晴らしさです。何度見ても「天体観測をしていてよかった」と思うのは、つるちゃんだけでしょうか?