しし座

南の空に高度70度で南中する日時のめやす

3月1日0時、4月1日22時、5月1日20時

しし座の様子(2月・東の空)

しし座の見え方

しし座の見え方

しし座付近の星図

しし座

ししの大がま

 しし座の星々の配列から、そのどう猛なライオンの姿を想像するのは簡単なことです。特に、東の空から勢いよく昇ってくるしし座はとても勇ましく見え、百獣の王にふさわしい姿です。

 しし座の頭から胸付近にかけて、ε星、μ星、ζ星、γ星、η星、α星の順に星をたどると「?」マークを裏がえしたような形になります。この部分はししの大がまと呼ばれています。

古い星座

 しし座は均整のとれた星座であるだけに古くから知られていました。なんと、紀元前4000年頃には早くも獅子の姿が描かれています。もちろんトレミーの48星座の一つに数えられています。

ギリシャ神話

 しし座の獅子は、ネメアの谷に住みついて家畜や人を食べてしまう、どう猛なライオンでした。ある時、ヘルクレスはライオン退治にでかけました。ライオンを見つけると、ヘルクレスはさっそく矢を射ましたが、ライオンに当たると、矢はポッキリと折れてしまいました。それならばとライオンに飛びかかり、力まかせに首をしめつけると、ライオンは死んでしまいました。後にヘルクレスは退治した獅子の毛皮をいつも身にまとっていたと言われています。

1等星レグルス

 α星のレグルスの明るさは1.4等星と、全天で21個ある1等星のうちで最も暗いものです。それでも1等星は1等星で、しし座のどの星よりも明るく輝いています。次に目につく星はしっぽにあるβ星のデネボラです。これは、うしかい座アークトゥルスおとめ座スピカとともに春の大三角を形づくっています。

同時に3つ見える銀河のグループ

M65 M66 NGC3628
M65 M66 NGC3628

 ししの後ろ足のθ星とι星の中間付近を天体望遠鏡で見ると、M65、M66、NGC3628の3つの銀河が見えます。倍率を低くすると3つの銀河(小宇宙)が同一視野に見え、それぞれに個性があって楽しい眺めとなります。ただしNGC3628は、他のふたつよりも暗い10等級ですから、見落とさないようにしましょう。

M95 M96 M95,M96,M105
M95 M96 M95,M96,M105

 ししの胴体の真ん中付近にもM95、M96、M105という3つの銀河(小宇宙)が集まって見えるグループがあります。しかし、先のグループよりも少し暗いので、ちょっと見づらいかもしれません。

しし座流星群

 しし座流星群ほど輝かしい歴史を持った流星群は他にないでしょう。それというのも33年周期で流星雨を降らせるからです。

 過去の記録を見てみますと、1833年、1866年には一晩で20万個の流星が流れ、人々が「世界が火事だ」と大騒ぎになったそうです。この時の記録では「一瞬といえども満月を2個並べるほどのすき間はない」くらいに流星が流れたといいますから、どんな様子だったのかちょっと想像がつきません。

 その後も1966年にアメリカ西部で1分間に1000個も出現するという流星雨になりましたが、40分くらいしか続きませんでした。最近では2000年にヨーロッパでピーク時には1時間あたり換算で5000個もの流星が流れました。また、2001年には日本でも流星雨が見られて大きな話題となりました。

 しし座流星群は11月15日から11月25日まで活動します。そして11月17日か18日頃に極大を迎えます。ししの大がまの中にあるγ星の方向から流星が飛んでくるように見えます。流星の速度は非常に速く、痕を残すものもありす。明るい流星が多いのも特徴です。観測は輻射点の高度が高くなる夜半以降がよいでしょう。

※「つるちゃんのプラネタリウム for Javaアプレット」の中にある「流星群の見え方」ではしし座流星群の出現イメージを表示できます。