しし座流星群特集 2001年

2001年のしし座流星群は日本でも流星雨が観測されました。2001年しし座流星群がブレイク!をご覧ください。

しし座流星群が11月19日に極大を迎えます。今年の極大は流星嵐になる可能性があるといわれており、絶対に見逃せません。

しし座流星群の出現イメージ 19日3時東の空

流星群ってなあに?

 普通の流星の場合、いつ、どこに、どういう方向から飛んでくるのか予想がつきません。ところが年間を通してある時期になると特定の決まった方向から流星が飛んでくるように見える場合があります。これを流星群と呼び、飛んでくる方向に見える星座の名前をとって「何何流星群」といいます。今回はしし座の方向から流星が飛んでくるように見えるので「しし座流星群」と呼ばれています。流星群は彗星に関係していると言われています。

過去のしし座流星群

 しし座流星群ほど輝かしい歴史を持つ流星群は他にありません。1799年の大出現では「天球が流星で埋め尽くされた」といわれていますし、1833年と1866年には一晩に20万個もの流星が飛び、人々が「世界が火事だ」と泣き叫んだと伝えられています。2年前の1999年にはヨーロッパで1時間に最大で5000個の流星が見られたのは記憶に新しいところです。

今年のしし座流星群

 しし座流星群の母彗星であるテンペル・タットル彗星が回帰してから3年半以上が経っています。一般的に流星群は彗星からまき散らされたチリが地球の大気と摩擦して光を放つ現象なので、3年半も経つとチリの数が減ってしまっていて流星雨となる可能性は低いと考えるのが普通です。ところが、1999年のヨーロッパでの流星雨を見事に的中させたデビット・アッシャー氏の説によると、今年は日本を含めた極東地域で流星嵐が見られるというのです。アッシャー氏のいう流星嵐とは・・・。

11月18日未明 1回目の極大

 まず18日の午後7時に第1回目の極大を迎えます。このとき1時間あたりに2500個程度の流星が流れるといいます。1999年のヨーロッパでの流星雨は1時間あたり5000個でしたから、その半分くらいの出現です。日本ではしし座の輻射点が昇ってくるのは0時以降になりますから、午後7時からは時間が経っており、あまり条件は良くありません。それでも例年以上の出現は十分期待できるでしょう。

11月19日未明 2回目の極大

 1回目の極大の翌日に2回目の極大となります。2回目の極大時刻は19日2時31分と3時19分ですから、日本ではしし座の輻射点が東の空に昇ってきており、良い条件といえるでしょう。そして気になる出現数ですが、ナント1時間あたり10000個から35000個といいますから驚きです。おまけに月明かりもない暗夜です。空一面が次々と流れる流星で埋め尽くされる流星嵐、そんな光景も夢ではありません。でも、ホンマかいな??

流星嵐を観測しよう

 先の話はひとつの予報にすぎませんし、悲観的な見方をする人も少なくありません。ただひとつだけ言えることは、布団の中で眠っている人は絶対に流星嵐は見られないということです。早朝の冷え込む時間帯ですが、がんばって観測してみましょう。寒がりのつるちゃんもがんばります。流星を観測する場合の主なポイントをあげてみます。

空が暗い場所へ

 流星をたくさん見ようと思えば空が暗い場所へ行かなければなりません。夜間は自動販売機の光があるだけでもずいぶんと明るく感じます。都会の明るい空では明るい流星だけしか見ることができず、出現数は激減してしまいます。

視界が開けた場所

 流星はしし座だけに見えるのではなく全天に流れます。ですから視界が開けた場所ほど流星を見ることができる確率が高くなります。

時間と方角

 輻射点が東の空から昇ってくる0時以降が条件が良くなります。ただし極大となる時間帯は短い上に、予報の時間がズレることもよくある話です。流星のもとになるチリの分布状況を正確につかむことなど不可能だからです。ですから「時間は気にせずひと晩中見る」、これが正解です。
 次に見る方角ですが、流星は全天に流れるので、あなたが「ここ」と思う方角を見ればそれでOKです。

流星の飛び方

 しし座流星群の流星は輻射点の方向、つまりしし座の中にあるししの大がま付近から飛んでくるように見えます。また、輻射点に近いほど流星の経路は短くゆっくり飛び、輻射点から離れるほど流星の経路は長くて速く飛びます。それとあまり知られていませんが、理屈上では輻射点に近いほど流星は明るく、輻射点から離れるほど流星は暗くなります。もちろん平均すればの話ですが。

 しし座流星群の流星の速度は「非常に速い」に分類されます。とても流れ星に願いを唱えている余裕はありません。本当に「あっ」と言う間の現象です。

寝転んで見よう

 流星を見るには寝転んで見るのが一番です。長時間見ていても首が疲れませんし、全天を見ることができるからです。

エチケット

 周りには流星の写真を撮っている方もおられます。車のライトや懐中電灯などの光は流星写真には大敵で、空やカメラの方に光を当てるとせっかくの写真がパーになってしまいます。光を使う場合は一言声をかけるなど配慮しましょう。また夜間は小さな音でもよく響きます。当たり前のことですが、近所迷惑にならないよう、話し声などは控えめにします。

その他の注意点

 11月ともなると夜間は相当に冷え込みます。特に地面に寝転んで見ていると、体を動かさない上に冷たさが地面から直接体に伝わってきます。さらに夜露もベトベトについてしまって最悪です。ですから真冬なみの防寒着やカイロなどを用意しておいた方が無難です。カイロも首用、胸用、腰用、足用、といった具合に複数個用意しておきましょう。

流星の出現イメージ

 見る時間や方向によって出現イメージが変わってきます。次のリンクで確認してみてください。天頂方向は頭を北に向けて寝転がって見る場合を想定したものです。

19日 0時 2001年11月19日0時 東の空
2001年11月19日0時 南の空
2001年11月19日0時 西の空
2001年11月19日0時 北の空
2001年11月19日0時 天頂方向
 
19日 3時  2001年11月19日3時 東の空
2001年11月19日3時 南の空
2001年11月19日3時 西の空
2001年11月19日3時 北の空
2001年11月19日3時 天頂方向
 
19日 5時 2001年11月19日5時 東の空
2001年11月19日5時 南の空
2001年11月19日5時 西の空
2001年11月19日5時 北の空
2001年11月19日5時 天頂方向

つるちゃんのプラネタリウム for Javaアプレットの中にある流星群で画面に出現イメージを表示させてみましょう。

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