アンドロメダ座

天頂付近にくる日時のめやす

10月1日0時、11月1日22時、12月1日20時

アンドロメダ座の様子(9月・東の空)

アンドロメダ座の見え方

アンドロメダ座の見え方

アンドロメダ座付近の星図

アンドロメダ座

いけにえになりかけたアンドロメダ姫

 アンドロメダ姫のギリシャ神話はあまりにも有名なので、多少詳しく紹介しましょう。

 アンドロメダ姫はエチオピア王国のケフェウス王(ケフェウス座)と、王妃カシオペア(カシオペア座)の間に生まれた美しいお姫様です。しかしカシオペアが娘の美しさを自慢するあまり、海の神ポセイドンの反感をかってしまいました。そしてお化け鯨(くじら座)がエチオピア海岸に差し向けられたのです。それからというもの、お化け鯨によって大津波が引き起こされ、家や家畜が押し流されてしまったり、人がお化け鯨に食べられてしまったり、大惨事が続く毎日でした。

 神の怒りを鎮めるには、アンドロメダ姫をお化け鯨のいけにえとして捧げる他はないと知ったケフェウス王は、泣く泣くアンドロメダ姫をいけにえとするために、エチオピア海岸へ鎖でつなぎました。しばらくすると沖の方から恐ろしいお化け鯨がどんどんと近づいてきました。

 その時です。メドゥサ・ゴルゴンを退治したペルセウス(ペルセウス座)がその首を引っさげて、天馬(ペガスス座)にまたがりエチオピア海岸を通りかかったのは。ペルセウスはメドゥサの首をお化け鯨の顔面に突きつけました。するとお化け鯨はたちまち石になってしまい、海の底へ沈んでいきました。こうしてペルセウスに救われたアンドロメダ姫は、その後ペルセウスとめでたく結婚したのだそうです。

3つの2等星

 アンドロメダ座はペガススの四辺形が目印になります。ペガススの四辺形の左上に位置するα星からβ星へ、さらにγ星へと3つの2等星がつながっていますので、すぐにそれとわかります。3つの2等星は、α星はアルフェラッツ(馬のへそ)、β星はミラク(腰)、γ星はアルマク(大地の子)の名前がつけられています。

アンドロメダ大銀河(M31)

アンドロメダ大星雲 アンドロメダ座の見ものといえば、何といってもアンドロメダ大銀河(またはアンドロメダ大星雲)でしょう。アンドロメダ大銀河は銀河系以外の銀河では最も近いところ(約250万光年)に位置する銀河です。もちろん、銀河系のお供の銀河である大マゼラン雲と小マゼラン雲を除いてですが。

 下側の星図を見てください。場所はβ星(NGC404と重なって見づらいですが、図の左下方向)から北西方向(図の右上方向)へμ星、ν星とたどり、さらにその北西方向(図の右上方向)にあります。アンドロメダ星雲は、肉眼でもぼんやりと雲の切れ端が浮かんでいるように見えます。明るさは4.4等級ですから、空が明るい場所ではちょっと難しいかもしれません。しかし双眼鏡で見れば確実です。空が暗い場所では双眼鏡でもドーンと見えます。

 天体望遠鏡では低倍率で見ないと視野から完全にはみだしてしまいます。そばにはお供の銀河であるM32とM110も見えていますのでこちらも見逃さないようにしましょう。しかし、写真で見るような渦巻きの姿を想像して見るとガッカリさせられます。写真では光を長時間蓄積できるのに対して、肉眼で見た場合にはその瞬間の光しか捉えることができないからです。

 でも考えてみてください。あなたが見ている光は250万年も前の光です。250万年前といえば最初の人類が東アフリカの大地を踏みしめた頃です。そんなことを考えながらアンドロメダ星雲を眺めると、ガラにもなく、何かロマンのようなものを感じます。

M31付近の拡大図