ペガスス座

南の空の高度70度で南中する日時のめやす

9月1日0時、10月1日22時、11月1日20時

ペガスス座の様子(9月・東の空)

ペガスス座の見え方

ペガスス座の見え方

ペガスス座付近の星図

ペガスス座

秋の大四辺形

 秋の星座のシンボル的な存在といえば、やはりペガススの四辺形でしょう。この四辺形は秋の四辺形とも呼ばれています。四辺形を作る4つの星全てがペガスス座の星かと思いきや、実は左上(北東)の星はペガスス座の星ではありませんで、アンドロメダ座に属しています。しかし名前はアルフェラッツ。つまり、馬のへそという意味を持つ変わった星です。

 ペガススの四辺形は日本では、枡形星、四つ星などとよばれ、秋のシンボル的な存在として親しまれてきました。秋を代表する星座であるだけに、もちろんトレミーの48星座の一つとなっています。

天の基準を探す

 ペガスス座の左側(東側)の縦の辺は天の重要な指標を探す目印となっています。南の方向(アンドロメダ座α星からペガスス座γ星の方向)へ2倍延長すると春分点に行き着きます。春分点は目には見えませんが、星の位置を表す座標のひとつである赤道座標系の基準となります。そしてさらに南の方へ延長すると、くじら座のβ星(デネブ・カイトス)に行き着きます。

 逆に北の方向(ペガスス座γ星からアンドロメダ座α星の方向)へ辺を延長していくと、カシオペア座のβ星に行き当たります。そしてさらに延長すると北極星にたどり着きます。

 このようにペガスス座を使うと、さまざまな星や、実際には見ることができない春分点の位置を探すことができます。

ギリシャ神話

 ペガスス座は羽が生えた天馬という、ちょっと変わった生き物に描かれています。しかも星座絵では上下が逆さまになっているのも奇妙です。ギリシャ神話では、ペルセウスがメドゥサの首を切り落としたときにメドゥサの血が岩に染み込み、そこから飛び出してきた天馬だとされています。そして、この天馬にまたがったペルセウスがアンドロメダ姫を助けたのでした。

HSTによるM15のクローズアップ

球状星団 M15

 天馬ペガススの顔の付近にあるε星の近くには球状星団のM15があります。M15は星の密集度が高いため、周辺の星を分離するには少し大きめの天体望遠鏡が必要となります。小望遠鏡では尾のない彗星を見ているような印象です。星団自体は6等級と明るい上に、すぐ近くに同じくらいの6等級の星があるので見つけるのは比較的簡単です。M15は双眼鏡でも星雲状に見ることができます。

最初に発見された系外惑星

 ペガスス座51番星は1995年に太陽系以外で最初に発見された惑星を持つ恒星として知られています。主星は5.5等星として肉眼でもかろうじて確認することができます。ペガスス座51番星は木星の半分くらいの質量を持った惑星が主星のまわりを回っており、ベレロフォンとよばれています。ベレロフォンは主星から0.05AUという近い位置にあり、千度くらいまで熱せられています。このような惑星はホット・ジュピターとよばれており、その後続々と発見されています。