ケフェウス座

北の空に高度60度で南中する日時のめやす

9月1日0時、10月1日22時、11月1日20時

ケフェウス座の様子(8月・北の空)

ケフェウス座の見え方

ケフェウス座の見え方

ケフェウス座付近の星図

ケフェウス座

いびつな五角形

 秋口に北東の空を向いてW字型をしたカシオペア座の上方を見上げると、いびつつな五角形の星の配列があるのがわかります。ぎょしゃ座の五角形などと比べてもかなりいびつで、少し細長い印象です。しかしながら暗い星が多いのであまり目立ちません。紀元前1500年頃に誕生した古い星座で、トレミーの48星座に含まれています。

ケフェウス王の星座

 秋の星座は古代エチオピアの王家にまつわる一つの物語でできていますが、ケフェウス座はケフェウス王に見立てた星座です。紀元前1500年頃にできた古い星座ですが、いびつな五角形からケフェウス王を思い浮かべるのは、どう見ても少し無理があるような気がします。なおアラビア語では、ケフェウスをもとにキーファウスとよんでいます。中国では、5人の皇帝の秘密の玉座とよばれていました。

変光星のケフェウス座δ星

 ケフェウス型変光星(ケフェウス座δ型変光星や、セファイドともいう)は規則的に変光する脈動星で、変光周期が50日以下のものを指しますが、ケフェウス座δ星はその総代表です。ケフェウス座のδ星は5日と8時間48分という正確な周期で、星自体が縮んだり膨らんだり縮んだりすることにより、3.6等星から4.5等星までの範囲で変光をくり返します。

 ケフェウス型変光星はその星自体の明るさと変光周期との間に一定の関係があります。ケフェウス型変光星の変光周期を測定すると、その星までの距離がわかるのです。このため、ケフェウス型変光星を利用して天体までの距離を測定するのに使われます。例えば、遠い銀河の中にケウェウス型変光星を発見すれば、その変光周期を測定することにより、銀河までの距離を割り出すことができます。

ガーネットスター

 ケフェウス座のμ星はガーネットスターと呼ばれています。この星は3.2等星から4.9等星まで変光する半規則変光星ですが、この星を観測したウィリアム・ハーシェルが「ざくろ石」と名づけたほど、異常に赤い色をしています。星の明るさが暗いので肉眼だと色までわかりませんが、双眼鏡で見ればこの星が特異な色をしていることがわかります。

 この星は太陽の直径の1500倍もあるとてつもない大きさの赤色超巨星です。表面の温度は2000度足らずの低温であるため、独特の赤色に見えるのです。