5月15日1時

 シュワスマン・ワハマン第3彗星C核の最接近から3日が経ちました。彗星の明るさはC核が3.5等と最接近の頃と変わりません。B核は昨日が地球との最接近で、明るさの方も5.6等とピークを迎えており、この前後数日間は肉眼彗星を2つ同時に見ることができるかもわかりません。しかしながら、月齢17の大きな月がさそり座にまでせまってきていて、彗星を観測できる時間帯は常に月明かりの影響を受けることになり、条件的には最悪です。

 これだけ月明かりが大きいと、都会の街明かりなんて関係ないのではないかと思われるかもしれませんが、それでもやはり彗星などの淡い天体にとって街明かりは大敵です。少しでも街から離れて光の影響を受けにくい場所から観測したいところです。

 C核はちょうど星数の少ないところに位置しますので、少し探しづらいかもしれません。はくちょう座ε星ギエナーとペガスス座ε星エニフの中間付近に位置し、両星とも比較的明るい星なので、おおよその目安をつけてから探すようにしましょう。B核の方ははくちょう座のε星とζ星からたどるようにします。

 彗星が昇ってくる時間はだんだんと遅くなってきており、5月15日東京の場合だとC核が23時12分、B核は22時6分です。5日前の10日ではC核が20時35分、B核が18時38分でしたから、たったの5日間で、ずいぶんと彗星の出の時刻が遅くなったことがわかります。今後も彗星の出はどんどんと遅くなり、夜明け前の少しの時間帯だけしか見ることができなくなってきます。

シュワスマン・ワハマン第3彗星の位置(1時、東の空)
5月15日1時のシュワスマン・ワハマン第3彗星の位置