大きな半影部分月食 2023年5月6日

 5月6日は半影部分月食が見られます。普段はあまり取り上げない半影月食ですが、今回は半影の食分が0.99と大きいため、紹介することにしました。

半影食の始まり  5月6日  00時12.1分
部分食の始まり
食の最大 02時22.9分
部分食の終わり
半影食の終わり 04時33.8分
最大食分  0.99(半影)

※月食の場合は日食と異なり、世界中どの場所から見ても進行状況が同じになります。

半影月食とは

 太陽と地球と月がこの順で一直線に並び、月が地球の影に入ると月食が見られます。地球の影は太陽光が届かない本影と、太陽光の一部が届く半影の二種類あります。今回は半影月食ということで、月が地球の半影に入ります。下の図を見ると月が半影の奥深くに深く入り込みますが、本影に接することなく通り過ぎていくことがわかります。
 

地球の影を通る月

見え方

 半影月食では太陽光が月面に届きます。このため月は明るく、肉眼では月食中だと気づきにくいものです。しかし写真に撮ると地球の影が写り、月食中であることがわかります。
 
 今回は半影による食分が0.99と大きく、月が本影近くまで近づきます。最大食となる5月6日の2時23分頃は、本影に近い側(下の図では右上方向)が少し暗くなっているのがわかるでしょう。もしわかりづらければ、双眼鏡や天体望遠鏡を活用してください。他の部分よりも少し暗くなっているのが確認できるでしょう。

最大食の頃(左下だけ半影に入らない)

見える位置

 最大食の頃、月は南西方向に見えます。地球の影の中心は月の右上方向にあります。(実際は見えませんけれども)

東京で最大食の頃に見える位置

次回

 月食が次回見られる見られるのは2023年10月29日の部分月食です。この時は食分が0.13という小さなものです。次回の皆既月食は2025年9月8日の皆既月食となります。

※このページのシミュレーション画像は、自作ソフト「つるちゃんのプラネタリウム シェア版」に含まれる「つるちゃんの日食ソフト」プラグイン機能を使って ΔT=69.2秒を入力し、独自に計算したものです。画像の時刻は正確な予報と比較して、10秒以内の誤差を含みます。

[コラム]
 つるちゃんがまだ小学生だった頃に半影月食の記事を見つけました。
 胸をときめかせて月食観察をしたのですが、月がちっとも欠けずにガッカリした記憶があります。