北斗七星
北斗七星の見つけ方
北斗七星はひしゃくのような形をしており、ひしゃく星とも呼ばれます。大まかに言うと、北斗七星は北の空に季節を問わず見えています。夕方宵の口に見やすくなるのは早春です。北東の空を見上げると、さほど高くない位置に縦に並んだ北斗七星を見ることができます。星の明るさは2等星が6つと3等星が1つと明るい星が多いので、初めての方でも簡単に見つけることができます。
晩春になると、北斗七星は真北の空で天高くに見えるようになります。そして、ひしゃくの形は地面へ水をかける格好をしています。さらに夏になると北西の空へ移ります。このように北斗七星は、北極星を中心として反時計回りに円を描きながら、季節ごとに位置を変えていきます。
冬の場合
春の場合
夏の場合
北極星の目印
北斗七星から北極星を探すことができるので、覚えておくと何かと便利です。北斗七星のひしゃくの部分の先端にある2星を使って、その長さを5倍ほど先の方向へ延長すると北極星が見つかります。北極星のページも参考にしてください。
春の大曲線
北斗七星の柄のところにある3つの星のカーブをそのまま延長すると春の大曲線になります。これを使うと、うしかい座のアークトゥルス、おとめ座のスピカ、そして、からす座を見つけることができます。
北斗七星の呼び名
北斗七星はおおぐま座の一部ですが、昔から各地でさまざまな物にたとえられてきました。その例を紹介しましょう。
(北斗七星)
北斗の斗は中国で枡のことを意味します。水の量をはかるひしゃくのようなものです。
(かじ星)
日本の漁村では北斗七星を舵に見立てて「かじ星」と呼んでいる地方があります。また、南斗六星に対して「北のかじ星」「北の大かじ」と呼ばれることもあります。
(車)
バビロニアでは荷車、エジプトではオシリスの車、イギリスではアーサー王の車とかチャールズの車、中国の漢の時代には帝車と考えられたそうです。
(くま)
ギリシャ神話では親子熊(おおぐま座とこぐま座)の母熊とされています。「四季の星座」の中の「こぐま座」を参照してください。
(賢者)
インドでは北斗七星を7人の賢者(リシ)に見立てています。
日本での名前
日本でもさまざまな名前がつけられてきました。その一部を紹介します。
(七つ星)
日本で最も古い呼び名の一つです。北斗七星だけに七つ星は誰もがすぐにそれとわかる名前ですね。
(四三の星)
四三の星は日本で最も古い呼び名の一つで、しそうの星と呼ばれます。これがなまって、ちそうの星と言われることもあります。これは双六で二つのサイを振り出した21の目の一つの呼び方だそうです。四三の星は北極星の周りを回りながら、隙があれば北極星を襲おうとしているのだそうです。
(ししょうの星)
ししょうの星は師匠の星のことで、四三の星がなまったものかもしれません。その昔、太郎という子供に7人の師匠がついていました。しかし太郎が死んでしまって北極星になると、7人の師匠も星になり、北極星の周りを回るようになったのだそうです。