おおぐま座

北の空で高度70度で南中する日時のめやす

4月1日0時、5月1日22時、6月1日20時

おおぐま座の様子(2月・北の空)

おおぐま座の見え方

おおぐま座の見え方

おおぐま座付近の星図(東半分)

おおぐま座(東半分)

おおぐま座付近の星図(西半分)

おおぐま座(西半分)

北斗七星

 おおぐま座といえば北斗七星でしょう。その特徴的な7つの星の配列は、誰でも簡単に見つけることができます。北斗七星は地方や時代によって見られ方が変わるようで、中国ではひしゃく、ギリシャ神話やインディアンは熊、エジプトでは車に見立てられています。また日本ではひしゃくの先にある二星(α星とβ星)を除いた星の並びが舟の形に似ていることから、ふな星やふなかた星とよばれることがあります。アイヌではサマエン・ノウチといって、いいつけに背いた熊をつかまえた神様に見立てられました。

 おおぐま座は北斗七星ばかりが目につきますが、実は全天で3番目の広さを持つ大きな星座です。北斗七星以外の星は小さくて暗い星が多いので、熊の姿を思い描くのは、ちょっと難しいかもしれません。北斗七星のひしゃくの部分が熊のお尻になり、ひしゃくの柄は熊のしっぽになります。

 ギリシャ神話に出てくるおおぐま座は、母子熊のうちの母熊だとされていますが、詳しくはこぐま座を参照してください。

肉眼2重星ミザール

 ひしゃくの柄から2番目にあるζ星(ミザール)をよく見てみましょう。すぐ近くに4等星の星アルコルがくっついているのがわかりますか。この星は昔アラビアの兵隊の視力検査に使われたそうです。ミザールとアルコルの2つの星を見分けることができればOKというわけです。

 ミザールを望遠鏡で見てみますと、ミザールのすぐそばには薄い緑色の星がひっついていることがわかります。そしてさらにミザールは3.2等星の星2つが互いに回り合う分光連星であることもわかっています。

η星は破軍星

 おおぐま座のη星は中国で破軍星と言われてきました。つまり、おおぐま座η星の方角へ軍を進めると敗戦するというのです。日本でもはぐんの星として、陣を敷くときに考慮されました。また北斗七星を剣に見立て、η星を破軍の剣先と言われることがあります。静岡や愛媛ではη星のことを、けんさき星とよんでいます。

ふくろう星雲(M97)ふくろう星雲 M97

 β星の近くにあるM97はふくろう星雲と呼ばれる惑星状星雲です。高倍率をかけると小望遠鏡でも濃淡があるのがわかります。大きな望遠鏡や写真で見ると、暗い部分が2箇所あり、ふくろうの顔のように見えるのでこのような名前が付けられました。

M81 M82
M81 M82

M81とM82

 γ星からα星の方へ2倍ほど延長した付近には、大きな2つの銀河(小宇宙)が「ハ」の字型に並んでいます。丸い形の方がM81で、細長い形の方がM82です。M81の方は渦巻き銀河で楕円形に見えています。

 M82は濃淡があり不規則な形をしていて、爆発しているのではないかと考えられていましたが、最近の研究では急速に星が誕生している姿ではないかと言われています。天体望遠鏡では50倍までの低倍率で2つ同時に眺めてみるのがおもしろいでしょう。

M101M101

 おおぐま座の東のはずれにはM101という大きな銀河があります。視直径は満月の3分の1もあるので期待して天体望遠鏡をのぞくとガッカリさせられます。その大きさのため光が拡散して非常に淡くなってしまっているのです。空が明るい場所からだと存在すらわからないかもしれません。しかし空が暗いところで見ると、ボッコ〜ンッと見えます。写真に写すと美しい渦巻きがはっきりと写るので、回転花火銀河と呼ばれることがあります。