アルキオーネ

　おうし座の一角に小さな星が集まって、肉眼でもボーッとした光のかたまりが見えますが、これがすばる（プレアデス星団）です。すばるをよく見ると普通の視力の持ち主なら、６個か７個の星の集まりであることがわかります。
　
　すばるを双眼鏡で見ると右の星図のように、たくさんの星が見えます。この中で最も明るく見える３等星がアルキオーネ（またはアルキオネ）です。アルキオーネはおうし座η星（エータ星）で、アルキオネとよばれることもあります。

７姉妹のひとり

　プレアデス星団はギリシャ神話では、アトラスとプレイオーネの間に生まれた７姉妹の一人だといわれています。アトラスの７姉妹とは、ケラエノ、エレクトラ、タイゲタ、マイア、ステローペ、メローペ、そしてアルキオーネです。

若い星

　アルキオーネをはじめとし、プレアデス星団の星は生まれてから５０００万年ほどしか経っていない若い星の集まりです。その証拠に、星団のまわりには希薄なガスが残っています。また、表面温度は１万３千度もある高温星です。太陽の２４００倍もの光を放ち、激しく燃える明るい星です。仮に太陽を星団の中に置いたとしたら１０等星ほどにしかなりません。それ故にこれらの星は、あと１億年ほどで燃え尽きてしまうのだそうです。