七夕 2012年7月7日

 七夕といえば牽牛さんと織姫さんが年に一度だけ会える日。悲しい夫婦の七夕伝説は有名ですね。そんなこともあって、この日だけは夜空を見上げようと思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 下の星図は7月7日20時半頃に東京から見た東の空です。例年だと21時の星図を掲げるのですが、2012年は20時半の星図にしました。それには理由があります。2012年の場合は月齢が17.9ということで、東京では21時11分に月が昇ってきます。満月過ぎの大きな月で、月の光が夜空を照らします。夜空の観察者にとって月の光は大きな妨げとなりますから、月が昇ってくる前に観察しておきたいのです。かといって見る時間が早すぎると、日没後の夜空は、まだ完全に暗くなりきっていません。東京で空が完全に暗くなるのは20時47分ですから、良い条件で夜空を見るためには20時半頃が限界というわけです。

 つべこべと書きましたが、20時半頃に東の空を見上げましょう。空の中ほどに七夕の星たちが見えます。織姫星や彦星は実在する星です。織姫星はこと座のベガのことで、彦星(牽牛星)はわし座のアルタイルのことです。両方とも明るい1等星ですからよく目立っていて、都会の夜空でも見つけられます。特にベガは1等星よりも明るい0等星ですから、まわりの星とくらべると、ひときわ明るく輝いています。東の空の高い位置で最も明るく輝くのが織姫星。その右下方向に見える1等星が彦星ですから覚えておきましょう。

 七夕に関する詳しいお話は、七夕祭りに見る星座 彦星(牽牛星)と織姫星もご覧ください。

20時半頃、東天に見える七夕の星たち
東天に見える彦星と織姫星


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