さそり座δ星食 2004年1月18日

 月は約1ヶ月ほどかけて星座の間を一周しており、この間さまざまな星に接近しますが、偶然恒星の上を通り過ぎていくことが観測できる場合があります。一般にこれを星食と呼んでいます。暗い星を含めると星食は毎日のように起こりますが、明るい星の星食となると、あまり頻繁に起こるものではありません。

 2004年の場合、1月18日の明け方に、さそり座δ星食(2.3等)が起こります。明るい星の星食は、今年に限っていえばこれが最初で最後ですので、見逃さないように観測したいものです。

 下の絵は1月18日の朝5時頃、南東の空のようすです。ちょうど南東の空から夏の星座、さそり座が昇ってきているところで、さそりの頭付近に位置するδ星の上に三日月形をした月が描かれています。ちょうどこの時間帯は、δ星食が始まったか、もしくはまもなく始まるかといった頃になります。

1月18日5時 さそり座δ星食 南東の空のようす
1月18日5時 さそり座δ星食 南東の空のようす

 下の絵は各地におけるさそり座δ星食の進行を表したものです。各地とも5時前後に月の南東方向(左下)から食が始まり、1時間ほどかけて月はδ星上を通過し、月の北西方向(右上)からδ星が出現することがわかります。沖縄の那覇では残念ながら食となりませんで、δ星食を観測することはできません。

 δ星は月の明部へ潜入するので、肉眼で観測すのはちょっと難しいかもしれません。双眼鏡があれば十分ですが、天体望遠鏡があれば、月の縁から星がパッと消え、星がパッと現れる様子をつぶさに観測することができます。双眼鏡や天体望遠鏡をお持ちの方は、ぜひこれを使って観測するようにしましょう。

さそり座δ星食 各地の進行のようす