火星がかに座のプレセペ星団を通過 2008年5月23日
火星がプレセペ星団の中を通り過ぎる
昨年の暮れに地球へ接近した火星ですが、その後は次第に星座の間を移動する速度を速めてきており、現在はかに座の中に見えます。火星の明るさは1.4等で、火星としては冴えない明るさですが、明るい星が少ない領域だけに、赤く光る火星はかなり目立つ存在です。
3月10日に火星がふたご座のM35(散開星団)へ接近したのは「3月10日 火星がM35へ接近」で紹介したとおりですが、今度は5月23日にかに座の中にあるプレセペ星団へ接近します。というか、今回はプレセペ星団の中を火星が通り過ぎます。
5月23日21時 火星の見える位置
双眼鏡、天体望遠鏡で観測しよう
下の絵はかに座の中央部を拡大したもので、プレセペ星団を通過していく火星の経路を示しています。プレセペ星団は肉眼でもボーッと見える大きな散開星団ですが、火星との接近を楽しむには、やはり双眼鏡か、できれば天体望遠鏡が欲しいところです。
双眼鏡を使って、前後数日間の火星の移動を観測してみましょう。双眼鏡は視野が広い分、プレセペ星団を背景にして火星が日々移動していく様子をハッキリと確認することができます。そして23日にはプレセペ星団の中に入り込んだ火星を捉えることもできるでしょう。
天体望遠鏡を使うとプレセペ星団と火星の競演を堪能できます。キラキラと光るプレセペ星団の星たちに混じって赤く強烈に輝く火星。さぞかし美しい眺めでしょうね。
プレセペ星団を通り過ぎる火星の経路