みずがめ座で天王星が衝、天王星を観測しよう 2008年9月13日
天王星が観測好機
天王星といえば太陽系第7番惑星。公転半径は19.2天文単位で土星の2倍ほども遠い。公転周期は84年もあって人間の一生と比較できるくらいに長い。赤道半径は25,559Kmで地球の4倍もあるが、それでも木星の3分の1強ほど。天王星は木星や土星に比べて遠いところにある上に大きさも小さく、それが故に明るさは6等級しかありません。つまり、肉眼で見えるか見えないかギリギリの明るさです。
9月13日に衝となる天王星ですが、もともと遠いところにある天体だけに、衝になったからといって普段よりも特別によく見えるようになるというわけではありません。しかしそれでも暗い時期と比べると0.2等から0.3等ほど明るくなり、視直径も最も小さい頃と比べて10%ほど大きくなります。ということで、ちょっぴりですが観測しやすくなります。
下の絵は9月13日21時頃に天王星が見える位置を示しています。天王星はみずがめ座の左端に見えますが、近くには月齢14の大きな月がありますから、実際に観測される場合は月明かりのない別の日を選んだ方が良いでしょう。
9月13日21時頃、天王星が見える位置
下の絵は天王星位置付近の拡大図です。短い水色の線は9月13日をはさんだ前後1ヶ月間の天王星の経路を示し、左上から右下へ少しずつ移動しています。天王星はみずがめ座とうお座の境界近くにいます。天王星を見つけるためにはまず、みずがめ座の「三つ矢」マークを見つけましょう。下の絵では右上に見えるYの字を斜めに倒したような形がそれで、π星、η星、ζ星、γ星で形作られます。次に、このみずがめ座の「三つ矢」から左下方向へたどってφ星(4.2等)を探しましょう。ここから5.6等の96番星をたどり、さらにその左隣を探すと5.7等の天王星が見つかります。
天王星の位置 拡大図
先にも書きましたように、天王星は6等級と暗いので、観測するためにはどうしても双眼鏡や天体望遠鏡が必要になります。双眼鏡の場合は位置の確認用と思ってください。天体望遠鏡の場合でも木星や土星のように表面模様を観測することはできません。
まず双眼鏡の場合ですが、他の星と区別がつきにくいので、念のため日にちをおいてもう一度観測してみましょう。前回と比べて移動していることが確認できれば間違いありません。
天体望遠鏡を使うと双眼鏡の場合よりも、もう少し簡単に判別できます。それは、色が独特の青緑色をしているからです。他の星と違って妙に青みがかった星があれば、それはおそらく天王星でしょう。それらしき天体が見つかれば、接眼レンズを交換して高倍率にしてみます。天王星は面積がありますから、他の恒星と違って小さな円盤像に見えるはずです。ここまで確認できたらまず間違いありませんで、太陽系最果てから2番目の惑星を確認できたことになります。
天王星の詳細位置
みなさんも一度、天王星の天体観測に挑戦してみられてはいかがでしょうか?
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ホゲ: おぉー。円盤像がいくつも見えて、天王星だらけや。
つる: しっかりとピントを合わせんかい!
ホゲ: おぉー。青い色の星がいくつも見えて、天王星だらけや。
つる: お前の望遠鏡は短焦点過ぎるから色収差で色がついてるだけや!
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